【用語説明】

*1
体内時計
ほとんど全ての動物は、ほぼ24時間周期でリズムを刻む体内時計を持っている。ヒトの日周リズムは実は25時間で、毎日1時間ずつ伸びていくはずだが、朝の光によってリセットされる(周期がずれる)ことで24時間になっている。例えば、時差ぼけの症状が光を浴びることで軽減されるのはこのためである。
*2
神経節細胞
網膜神経節細胞は、多くの細胞からの光情報のアナログ入力を統合し、デジタル情報として出力する。ヒトを含む脊椎動物の目には神経節細胞が存在し、そこである程度統合された光情報が脳へ送られる。この情報処理機能を担う網膜神経節細胞のうち、哺乳類では数%の細胞が光感受性を持つことがわかっている。一方、ほとんどの無脊椎動物の目には神経節細胞は存在せず、情報統合・処理は脳で行われるが、視細胞自身が光情報をデジタル出力している例が知られている。
*3
光受容蛋白質
通常の蛋白質は紫外光だけしかキャッチできない。光受容蛋白質は、発色団としてビタミンAの誘導体を結合し、可視光の受容を可能にしている。視覚を司る視細胞には、光受容蛋白質の代表とも言える視物質(ロドプシン)が存在している。
*4
繊毛型細胞と感桿型細胞
多くの光受容細胞では何重にも積み重なった膜構造を持ち光受容の感度を上げている(セロファンを重ねると色が濃くなるのと同じ)。その膜構造の由来が、繊毛と呼ばれる膜に由来するものを繊毛型細胞、細胞膜が変化した微絨毛構造による膜構造を持つものを感桿型細胞とよぶ。繊毛型細胞と感桿型細胞では、光応答の性質が全く異なる。