平成16年2月16日 |
日本電気株式会社 独立行政法人 物質・材料研究機構 独立行政法人 科学技術振興機構 |
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今回の成果は、(1)固体電解質(注3)における金属原子移動に基づいた、金属微細架橋のスイッチング現象(原子スイッチング現象:注4)の利用、(2)作製の容易さと特性安定性に優れた接合構造の採用、(3)プロセス耐性の高い固体電解質(Cu2S)の選択、(4)LSI配線層への「NanoBridgeTM」形成プロセス開発により実現されたものです(補助資料 図1)。 | ||||||||||||||||||
半導体チップは電子機器を制御する上での主要部品であり、現在は機器に特化した専用設計チップ(ASIC:注5)が多く使われています。このうち、機器ベンダーが上流設計し半導体チップメーカーが回路・LSIを作製するサービスには、主にCBIC(注6)が用いられてきました。近年は、機器開発における競争の激化を反映して、機器メーカーの手元で回路組み換えができ、機器開発期間を大幅に短縮できるプログラマブルロジックがその市場を大きく伸ばしています。プログラマブルロジックは回路組み替え動作により様々な機能を1チップで実行できるため、実装スペースの限られた機器での利用も期待されています。しかし、これまでのプログラマブルロジックは、ロジックセル(注7)間を接続するスイッチの面積が大きく、抵抗が高いため、接続スイッチの使用数を減らすことを目的に、CBICよりも約100倍トランジスタ数の多いロジックセルが用いられてきました(注8)。その結果、回路の使用効率悪化に伴うロジックセル組み合わせ自由度や並列演算処理性能の低下により、プログラマブルロジックの回路応用範囲がCBICに比べ限られるという課題がありました。 | ||||||||||||||||||
NEC、独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)はかねてから、これらの課題を解決するため共同で研究を進めてきましたが、このたび固体電解質中での金属原子移動に基づく金属微細架橋のスイッチング現象を利用することで、CBIC並みに応用範囲の広いプログラマブルロジック(プログラマブルCBIC)を実現するための、小型・低抵抗接続スイッチ「NanoBridgeTM」を開発しました。また、本スイッチを5層配線CMOS基板上に作製することで、プログラマブルCBICに不可欠な4×4クロスバー(注9)を試作し、電圧印加パターンの変化により回路の組み替え動作を実証しました(補助資料 図2)。 | ||||||||||||||||||
この技術開発により、モバイル機器やデジタルテレビなど多くの電子機器において、その性能向上と低価格化がはかられると共に、回路切り替え動作により、携帯電話のようなポータブル機器においても、あらゆる機能が実行できるようになります。 | ||||||||||||||||||
「NanoBridgeTM」及びプログラマブルCBICの特長は以下の通りです(補助資料 図3)。
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NEC、物質・材料研究機構、JSTは、本技術を次世代ASIC開発プラットホームにおける基盤素子・回路技術と位置づけ、早期の実用化を目指して今後とも積極的な研究・開発活動を展開していきます。 | ||||||||||||||||||
なお、NEC、物質・材料研究機構、JSTでは、今回の成果を2月16日から18日まで、米国カリフォルニア州サンフランシスコ市で開催される学会「国際固体素子回路会議(ISSCC 2004)」において、17日に発表します。 | ||||||||||||||||||
本成果の一部は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業継続研究の研究課題「新しい量子効果スイッチの機能素子化」(研究代表者:青野正和)の研究過程において得られたものです。 | ||||||||||||||||||
本成果の一部は、NECエレクトロニクスの委託にもとづく研究において得られたものです。 | ||||||||||||||||||
以 上 | ||||||||||||||||||
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<補助資料>
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********************************************************** <この発表に関する報道関係からの問い合わせ先> NEC コーポレート・コミュニケーション部 楓/福本 電 話 (03)3798-6511(直通) 独立行政法人 物質・材料研究機構 広報室 多田 電 話 (029)859-2026 独立行政法人 科学技術振興機構 広報室 福島 電 話 (048)226-5606 <本件に関するお客様からの問い合わせ先> NEC 研究企画部 企画戦略グループ 電 話 (044)856-2054(直通) 独立行政法人 科学技術振興機構 研究推進部 研究第三課 高木 電 話 (048)226-5636 ********************************************************** | ||||||||||||||||||
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