その他のお知らせ

１．研究活動における不正行為の内容

次に掲げるＪＳＴ事業において、４報の論文の図の一部で捏造・改ざんが行われたことが大学より認定され、ＪＳＴは研究活動における不正行為があったことを確認しました。
ＪＳＴは元特任助教１名をＪＳＴ事業において不正行為に関与した研究者、教授１名を不正行為に関与していないものの不正行為のあった研究に係る論文等の責任を負う著者として認定しました。

２．不正行為が行われた事業

事業名：戦略的創造研究推進事業　先導的物質変換領域（ＡＣＴ－Ｃ）

研究課題名：量子シミュレーションに基づく不斉Ｃ－Ｈ活性化触媒の開発

研究実施期間：平成２４年度～平成２９年度

事業名：戦略的創造研究推進事業（ＣＲＥＳＴ）

研究課題名：有機合成用鉄触媒の高機能化

研究実施期間：平成２３年度～平成２９年度

ＪＳＴ事業において不正が認定された論文：

• ・ Enantioselective Rh- or Ir-catalyzed Directed C(sp³)-H Borylation with Phosphoramidite Chiral Ligands, Chem. Lett. 46(12):1747-1750 (2017)
• ・ Iridium-Catalyzed Asymmetric Borylation of Unactivated Methylene C(sp³)−H Bonds, J. Am. Chem. Soc. 141(17):6817-6821 (2019)
• ・ Asymmetric Synthesis of α-Aminoboronates via Rhodium-Catalyzed Enantioselective C(sp³)–H Borylation, J. Am. Chem. Soc. 142(1):589-597 (2020)
• ・ An Introductory Overview of C–H Bond Activation/Functionalization Chemistry with Focus on Catalytic C(sp³)–H Bond Borylation, KIMIKA 32(1):70-109 (2021)

３．措置の内容

（１）研究費などの返還請求

北海道大学に対し、戦略的創造研究推進事業　先導的物質変換領域（ＡＣＴ－Ｃ）において、不正行為と直接関係する研究費（論文別刷代、学会参加旅費）118,870円に間接経費（30％）および遅延損害金（年５％）を加算して返還を求め、全額返還されました。

なお、戦略的創造研究推進事業（ＣＲＥＳＴ）については、不正行為と直接的に関連性のある経費支出は認められませんでした。

（２）申請等資格制限

同大学のRonald Lazo Reyes元特任助教に対して、ＪＳＴによる競争的研究費等の研究開発を行う全ての事業への申請資格及び参加資格を令和５年11月から令和13年３月までの間制限します。

同大学の澤村正也教授に対して、ＪＳＴによる競争的研究費等の研究開発を行う全ての事業への申請資格及び参加資格を令和５年11月から令和９年３月までの間制限します。

４．再発の防止について

このような事態が再発しないよう学内の研究者等への周知徹底を行うなど、各研究者等の地位や役職・責任等に応じて、研究活動の不正行為の防止のための改善措置を確実に実施するよう文書により大学に要請しました。