琉球大学の研究者による重点地域研究開発推進プログラム等の研究活動における不正行為に対する処分について

ＪＳＴ（理事長　濵口道成）は、平成２９年２月に琉球大学から提出を受けた調査報告書に基づき、その内容を精査した結果、JST事業において研究活動における不正行為があったことを確認しました。

このため、JSTは、同大学、研究者に対して、以下３．の措置を講じました。

次に掲げるＪＳＴ事業において、６報の論文の図の一部で捏造・改ざんが行われたことが大学より認定され、ＪＳＴは研究活動における不正行為があったことを確認しました。

ＪＳＴは３名の研究者がＪＳＴ事業において不正行為に関与したことを認定しました。

事業名	研究課題または研究テーマ名	研究実施期間	不正行為が認定された論文
重点地域研究開発推進プログラム【研究開発資源活用型】	発症危険度判別によるATL発症リスク診断システムの開発	平成20年度～22年度	・Aberrant expression of the transcription factor Twist in adult T-cell leukemia.　Blood：2010：10：1182 ・Overexpression of caveolin-1 in adult T-cell leukemia.　Blood：2010：115(11)：2220-2230 ・MicroRNA miR-146a is induced by HTLV-1 Tax and increases the growth of HTLV-1-infected T-cells.　International Journal Cancer：2009：130：2300-2309 ・Overexpression of Aurora A by loss of CHFR gene expression increases the growth and survival of HTLV-1-infected T cells through enhanced NF-κB activity.　International Journal Cancer：2009：124(11)：2607-2615
沖縄県地域結集型共同研究事業	沖縄産生物資源に含まれる成分の機能性評価	平成14年度～19年度	・Anti-adult T-cell leukemia effects of brown algae fucoxanthin and its deacetylated product, fucoxanthinol.　International Journal Cancer：2008：123(11)：2702-2712
地域イノベーション創出総合支援事業　シーズ発掘試験	糖鎖結合蛋白質を用いた悪性リンパ腫治療法の開発	平成19年度	・A modified version of galectin-9 induces cell cycle arrest and apoptosis of Burkitt and Hodgkin lymphoma cells.　British Journal of Haematology：2008：142(4)：583-594

（１）申請等資格制限: 上記３事業に係わった森直樹教授に対して、ＪＳＴの全事業への申請資格および共同研究者として参加する資格を平成２９年４月から平成３５年３月までの６年間制限します。また、当該研究課題に参画した准教授に対して同資格を平成２９年４月から平成３２年３月までの３年間、特命助教に対して同資格を平成２９年４月から平成３１年３月までの２年間制限します。

このような事態が再発しないよう機構の研究者などへの周知徹底を行うなど、研究活動の不正行為の防止のための改善措置を確実に実施されるよう文書により大学に要請いたします。
また、JSTは不正使用などの再発防止に向けた取り組みを一層強化し、今後とも公的研究費の適切な運用がなされるように努めてまいります。