JSTは、平成25年3月に国立大学法人東京医科歯科大学(大学)から提出を受けた「技術補佐員背任事件に関する調査報告書」等に基づき、その内容を精査した結果、大学に研究委託したJST事業に係る研究費の一部が不適正に使用されたことを確認しました。
このため、JSTは、大学及び大学の技術補佐員に対して、以下の措置を講ずることとしました。
1.不適正な経理処理の内容
調査の結果、大学の技術補佐員1名が、次に掲げるJST事業に係る研究費で不適正な使用を行っていました。
(1)戦略的創造研究推進事業
戦略的創造研究推進事業に係る委託研究費において、大学の技術補佐員1名(任期付職員)が、平成23年度でソフトウェアやカメラを業者に無断発注し、業者から発注物品を一旦受け取った後、当該物品を買取業者へ転売し、その対価を自己の用途に充てる目的で私的に流用するなど研究費の不適正な使用を行っていたことを確認しました。
不適正な研究費総額は、3,530,906円(直接経費)でした。
研究者 | 事業名 | 不適正研究費 |
---|---|---|
技術補佐員 | 戦略的創造研究推進事業 | 3,530,906円 |
2.措置の内容
- (1)研究費等の返還
- 大学に対し、不適正な使用に充当された研究費について、当該研究費、間接経費及び遅延損害金(年5%)の合計金額の返還を求めることとし、全額返還されました。
- (2)申請等資格停止
- 大学の技術補佐員1名に対して、JSTの全事業への申請資格及び新たに共同研究者として参加する資格を平成25年度から5年間停止しました。
- (3)再発防止策
- 大学に対して、本件は遺憾であり、こうした事態を招いたことにつき厳重注意するとともに、本件で提示された再発防止策を大学の研究者等へ周知徹底を図るなど再発防止策を完全に実施するよう要請することとし、文書により通知しました。