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OPERA (名古屋大学)
共創コンソーシアム名:物質・エネルギーリノベーション共創コンソーシアム
物質・エネルギーの高効率な利用・再利用技術の開発
分野材料工学
領域概要

研究課題名

地域資源活用型エネルギーエコシステムを構築するための基盤技術の創出

プロジェクト実施期間

2018年度~2022年度(OI機構連携型)

幹事機関、領域統括(所属)

国立大学法人東海国立大学機構、北 英紀(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)

参画機関(大学等、企業等)

名古屋大学(幹事機関)、信州大学、大阪市立大学、芝浦工業大学、東京理科大学、石福金属興業㈱、いすゞ自動車㈱、エア・ウォーター㈱、㈱オーク製作所、㈱コベルコ科研、堺化学工業㈱、㈱デンソー、東レエンジニアリング㈱、トヨタ自動車㈱、ナノアース、日空工業㈱、㈱放電精密加工研究所、㈱北陸テクノ、㈱本田技術研究所、美濃窯業㈱、㈱名城ナノカーボン、㈱ヤマト

めざす未来

Society5.0を実現し、豊かで安全・安心な地域社会を構築するためには、「地産地消」を支えるエネルギー利用の効率化、物質の循環技術の確立は喫緊の課題であり、資源(エネルギー・物質・人)を有効に活用した地域イノベーションの創出がその鍵を握ります。このため、分野横断・機関横断的な研究開発により、物質・物質変換、物質・エネルギー変換、エネルギー・物質変換、エネルギー・エネルギー変換を高効率で処理する技術開発を大きく前進させるとともに、その研究開発の未来を担う若手研究者を育成します。

研究のポイント

本プロジェクトにおける具体的なアウトプットとしては、一つは、カーボン系触媒や光触媒を中心とした物質変換であり、燃料電池用の触媒電極や二酸化炭素還元による有価物の生成などへの応用を想定しています。もう一方は、電池を核としたエネルギーデバイスであり、太陽電池や二次電池、キャパシタ―、燃料電池などへの展開です。また、2019年度下期からは、新しい研究開発課題として熱循環システムを取り上げ、蓄熱材料の開発やシステム設計、科学的LCAなどの評価方法の開発を推進しています。

ここがすごい

豊かな未来社会の構築には、地域の生活に安心と活力を生み出すエネルギー・物質の好循環システムの確立が不可欠です。地域を形成するステークホルダーが持つ地域資源(人・社会・環境エネルギー)を有機的に結合して、各々の地域に適した、物質とエネルギー間の変換、蓄積、輸送を最小限のロスで実現する技術を開発します。また、AI技術やMI技術を用いてカーボン材料を様々な分野に展開するために、参画機関で連携してカーボン材料の特性に関するデータシステムの構築を目指しています。

企業への一言

本プロジェクトでは、オープンイノベーション体制を最大限活用し、スタートアップメンバーのみならず、メンバーの出入りが迅速にでき、不連続的革新を生み出す新しいアイデア創出が可能な環境の構築を目指しています。あわせて、メンバー間の連携可能性の議論・アイデア出し・エコシステムを想定した連携研究への移行など、非競争領域の協調研究が促進されるような取組や仕掛けを行っています。また、競争領域へのスムーズな移行を目指して、参画企業と連携して、競争技術とのコスト・将来性を含むベンチマーク、市場規模予測、科学的なLCAなどの評価方法を取り入れて、研究テーマの社会へのインパクトを評価します。

窒素含有グラフェン / Nitrogen-Doped Graphene

従来のヘテロ原子含有グラフェンでは、ドープ位置がシート端部に偏り、グラフェンシートの平坦性を維持できなかったが、ソリューションプラズマ法によって、ヘテロ原子(窒素)の高ドーピング状態においても平坦性を維持し、透明で、結晶性の高いヘテロ元素含有グラフェンを実現した。常温常圧で、簡便に、低コストで、大量合成可能であり、燃料電池用触媒やエネルギー変換デバイス等への展開が期待できる。

創造的プロセス技術によるエネルギーデバイスの革新 / Development of Creative Process Technologies toward Innovation of Energy Devices

高効率エネルギー変換や電池の開発には、触媒と電極、電極と電極など異種界面の形成技術とその制御技術開発が求められている。このため、①フレキシブルデバイスへ応用可能な結晶搭載型電極の塗工プロセス開発および②水系ハイブリッドキャパシタの高容量化・高速化に向けたナノシート材料開発に取り組んでいる。発表では、ZnO結晶/ポリマー基板の直接形成および、MnO2微粒子とRuO2ナノシートの複合化によるMnO2微粒子の比静電容量の向上について紹介する。

光触媒による二酸化炭素還元と有価物の創製 / Photocatalytic reduction of carbon dioxide and production of valuable chemical materials

太陽光エネルギーを利用して、水や二酸化炭素から付加価値の高い水素や有機物を合成する人工光合成は人類社会を持続させるための重要なキーテクノロジーである。本研究では、二酸化炭素還元反応を光触媒的・光電気化学的に進行させる新規な金属酸化物・ダイヤモンド半導体光触媒の創製と、その高効率化・機能化を目的とした合理的設計について紹介する。

エクセルギーをパラメータとする循環システムの設計ツール / Design tool for circulation system with exergy as a parameter

エクセルギーは物質とエネルギーに共通の資源性を示し、循環の中で消費されていく。また循環システムは定常開放系であり、投入と排出のエクセルギー(Exin、Exout)の量を指標とするのが妥当と考えた。今回、汎用的なExcelをベースに,個々の原料やエネルギーのエクセルギーはデータベースとして作成し,循環システムにおける物質とエネルギーの流れを描画すれば簡単にExin、Exoutが明示できるようにした。

お問い合わせ先
名古屋大学
メールアドレス:opera_info@chem.material.nagoya-u.ac.jp
住所:〒464-8603 名古屋市千種区不老町 グリーンビークル材料研究施設102号室
電話:052-747-6846  
URL:http://chem.material.nagoya-u.ac.jp/opera/


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