研究課題名
世界の知を呼び込むIT・輸送システム融合型エレクトロニクス技術の創出
プロジェクト実施期間
2016年度~2021年度(共創プラットフォーム型)
幹事機関、領域統括(所属)
国立大学法人東北大学 遠藤 哲郎 (国際集積エレクトロニクス研究開発センター センター長・教授)
参画機関(大学等、企業等)
京都大学、山形大学、東京エレクトロン(株)、キーサイト・テクノロジー・インターナショナル(同)、(株)アドバンテスト、(株)ティ・ディ・シー、(株)東栄科学産業、東北イノベーションキャピタル(株)、他24社
めざす未来
本事業の技術・システム革新シナリオでは、エネルギーや労働力の問題をIT産業領域での省エネ技術と輸送業・情報通信分野での知的システム技術により解決するために、具体的な解決手段として、3つのキーテクノロジーを特定し、人文・社会学的知見を活用した次世代輸送システムのソリューションを確立することを目的として、非競争領域での産学共創プラットフォームにおけるオープンイノベーションを通じて、持続的成長社会システムの実現を目指します。
研究のポイント
本事業では、東北大学・京都大学・山形大学と先進的企業群の理工学と人文社会学の力を結集して、知財等の制度改革を行い、エネルギー・労働力問題の社会的要請を受けて、①極限低消費電力のIoT用エッジコンピューティングデバイス、②高効率エネルギー変換ハイブリッド集積パワーデバイス、③労働力の高利用効率な輸送システム向け知的エレクトロニクスシステムにかかる非競争領域の研究開発テーマをたて、その革新的技術群の創出と人材育成を担う産学共創プラットフォームの形成を目的とします。
ここがすごい
〇超小型DC-DCコンバータ開発
日立Astemo㈱との共同研究により、GaN on Siデバイスを適用した超小型DC-DCコンバータの実現のため昇圧コンバータを用いた要素技術開発を行い、2MHz高周波駆動により、磁気部品の小型化と、AMラジオ周波数帯(526.5kHz~1606.5kHz)を超えることによるノイズフィルタ削減の目途付けをつけました。
〇高精度・高効率AIプロセッサ開発
適応的画像クラスタリングシステムの精度と計算効率の改善を目指し、新しいクラスター妥当性指標(CVI)の回路エンジンを提案しました。さらに、55nmCMOSテクノロジで設計されたGSLD-CVI回路エンジンチップにて、従来の計算方式と比較して、計算負荷が88.9%と大幅に削減されることを示しました。
企業への一言
本事業では研究開発分野としてスピントロニクス、パワーエレクトロニクスの研究開発を展開し、集積エレクトロニクス技術に係るコア技術創出を推進しております。これまで、世界最高性能となる多様な革新的技術の開発に成功し、超低消費電力が要求されるIT・輸送システムでの展開を進めています。また、本事業により、国内外の産業界との産学共同研究が効率的かつアクティブに展開さえるためのフレキシブルな産学連携フレームワークを構築しています。世界を先導する集積エレクトロニクス研究開発拠点を目指して、革新的コア技術の創出、及び実用化による産業界への貢献と我が国の国際的競争力強化、そして地域振興に寄与してまいります。
「IT・輸送システム産学共創コンソーシアム」の事業概要及び研究開発課題 / Overview:Industry-Academic Co-creation Consortium for IT and Transportation System in Tohoku Univ.
本領域では、エネルギー・労働力問題の社会的要請を受け、①IoT用エッジコンピューティングデバイスの極限低消費電力、②低損失ハイブリッドパワー集積デバイスと高効率エネルギー変換に求められる低損失パワーエレクトロニクス技術、③IT・パワーデバイスの融合による次世代輸送システムに求められる知的グリーン・パワーエレクトロニクスの革新的技術の創出と人材育成を担う産学共創プラットフォームの形成を目指します。
研究開発テーマ1及び研究開発テーマ2の概要 / Outline of R&D Theme 1 & 2
テーマ1 スピントロニクス素子の高信頼性及び集積性・省電力性の向上の実現/ WER of MTJ devices
テーマ2 スピントロニクス不揮発性集積回路による飛躍的な低消費電力化 および測定技術の実現/Design method for nonvolatile VLSI & measurement technique for spintronics devices and VLSIs