「世界一の安全・安心社会の実現」領域 シンポジウム
「ナノテクノロジーを駆使したバイオセンサーと2次元材料最前線 -ヒト感染性ウイルスを迅速に検出可能なグラフェンFETセンサーによるパンデミックのない社会の実現-」 報告

本ページの目次

開催概要

開催日時
2026年3月15日(日) 13:30~16:45
会場
東京科学大学大岡山キャンパス 本館278講義室、Zoomオンライン会議
主催
本格研究「ヒト感染性ウイルスを迅速に検出可能なグラフェンFETセンサーによるパンデミックのない社会の実現(松本課題)」
イベント
プログラム
「ナノテクノロジーを駆使したバイオセンサーと2次元材料の最前線」pdf(PDF:391KB)

報告

本格研究「ヒト感染性ウイルスを迅速に検出可能なグラフェンFETセンサーによるパンデミックのない社会の実現」(研究開発代表者:松本和彦(大阪大学)) のシンポジウムが2026年3月15日(日)に東京科学大学 大岡山キャンパスおよびオンラインで第73回応用物理学会春季学術講演会の初日に開催されました。シンポジウム名は、「ナノテクノロジーを駆使したバイオセンサーと2次元材料の最前線~ヒト感染性ウイルスを迅速に検出可能なグラフェンFETセンサーによるパンデミックのない社会の実現~」で、本プロジェクトの学会でのシンポジウム開催は、2023年3月15日 、2024年3月22日 、2025年3月14日に続いて4年連続で精力的に実施されています。会場参加者は90名を越え、オンラインでも多数の方に参加いただきました。グラフェンや低次元材料、ナノコンポジットなどの材料を組み合わせて、分子センシング、ウイルスセンシング、嗅覚センサーやイメージセンサーなど多方面への応用を紹介する内容で質問も活発になされ、多くの関心を集めました。

松本和彦先生による本シンポジウムの全体概要説明に続いて、田中健一運営統括より挨拶とともにJST未来社会創造事業の概要やその研究課題の特徴が紹介されました。 続く講演では、研究チームによる最新の研究成果発表と、タイトルにある研究に取り組む研究者からの発表とあわせて計6件の発表がありました。

研究チームの講演では、参画機関の共同研究者である牛場翔太氏(村田製作所)が、「グラフェンFETバイオセンサ応答の回路シミュレーション」として、開発中のグラフェンFETバイオセンサーを抵抗回路網としてシミュレートする研究結果が発表されました。開発中のFETセンサーの複雑な動作状況を簡易的にシミュレートする考え方はFETセンサー設計の基盤技術という点で多くの質問が出て関心の高さが伺えました。
また、主たる共同研究者である前橋兼三先生(東京農工大)は、「グラフェン表面の分子機能化による高感度センシングデバイスの開発」として、グラフェンセンサーの表面を改質して高感度させるデバイスの研究成果の発表がありました。センサーの表面活性を高めることで、大気中に浮遊するウイルスを吸着しやすくなり、さらに検出感度の高いセンサーを達成する可能性を示しました。大気中のウイルスを検出する新しいバイオセンサーの可能性について、多くの質問が寄せられました。

内田 建先生(東大)からは「分子認識と自己加熱を融合したグラフェン呼気ガス多成分センシング」として気相中の各種の低分子ガスをセンシングするグラフェン素子について発表がありました。呼気の中に含まれる低分子成分の各種ガスを検出して、呼気診断による健康診断の可能性が示されました。 長島 一樹先生(北大)からは「ポリマー-カーボンナノコンポジット薄膜人工嗅覚センサーの設計と応用」として、色々な匂いを分子認識して電気信号に変換し各種の匂い成分を検出する、センサーの最新研究とその応用について詳細な発表がありました。匂いの成分分析により、各種応用の可能性が示されました。 小川 新平氏 (三菱電機)より「グラフェンイメージセンサー」として、グラフェンを用いた光センサーへの応用について、高感度な赤外線センサーの技術的な詳細とその応用について最新の開発状況の紹介がありました。 名和 靖矩先生(関西学院大)より「細胞から分泌された単一エキソソームのプラズモニックチップによる膜たんぱく質分析」として、グラフェンを用いた研究とは異なりますが、ナノテクノロジーを駆使したバイオセンサーとして、細胞外小胞体の一種であるエキソソームを用いたバイオセンサーへの応用という観点から発表がありました。

今後、松本課題では、継続して技術開発を進め、安全・安心で快適な社会の実現に貢献していきます。


pic

松本和彦先生

pic

田中健一運営統括

pic

集合写真

以上

本ページの目次