情報発信

[新技術説明会 コラボレーションイベント]

LCS研究報告会
~低炭素技術の定量的技術シナリオと科学・技術ロードマップ~

※終了しました。多数のご参加ありがとうございました。

開催概要

 低炭素社会戦略センター(LCS)は、「明るく豊かな低炭素社会の構築」に向けて、低炭素技術の技術的・コスト的展望に関する定量的な解析、社会への導入のシナリオ検討とともに、低炭素社会の実現を加速する新技術創出に資する研究開発の成果の普及、社会への実装までを見据えた戦略や社会システム設計のための取組を行っています。
 今回の【LCS研究報告会~低炭素技術の定量的技術シナリオと科学・技術ロードマップ~】は、LCSのシナリオ研究の成果をご紹介すると共に、聴衆の方と意見交換を行うことを目的として開催いたします。
 当日はLCSのシナリオ研究のうち、4テーマのプレゼン発表と、他研究テーマに関するパネル展示を予定しております。

■日時
2015年2月24日(火)10:00~11:50
■場所
JST東京本部別館 K's五番町1階
■主催
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
■対象
主に民間企業の研究開発担当者など
■定員
100名
■参加費
無料

※本報告会は、先端的低炭素化技術開発事業(ALCA)の研究課題による新技術説明会(2月24日午後開催)に併設したコラボレーションイベントとして開催します。ALCAによる新技術説明会にご参加のみなさまにおかれましては、併せて本報告会へのご参加をいただけましたら幸いです。

プログラム

10:00~10:05
主催者挨拶
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター 室長
古旗 憲一
10:05~10:10
LCS事業紹介
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター 副調査役
永井 諭子
10:10~11:50
シナリオ研究発表(質疑あり) ※太字が発表者

発表テーマ①

10:10~10:35

太陽光発電システム—定量的技術シナリオを活用した高効率太陽電池の経済性評価—
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
研究員 井上 智弘

発表概要:

太陽光発電システムが補助金や固定価格買取制度の支援なく普及を続けるためには、将来のさらなる低コスト化が必要であり、戦略的な技術開発が必要とされている。LCSでは太陽光発電システムの「定量的技術シナリオ」を構築し、技術開発の定量的な影響評価をしてきている。本発表では、各種太陽電池のシステム導入原価のコスト構造を明らかにし、2030年に発電コスト5円/kWhに達する重要技術開発項目と、2050年にむけた挑戦的な技術開発に対する経済性評価の結果を紹介する。特に将来技術については、さらなる高効率化実現のためにタンデム構造を想定し、化合物系太陽電池および、結晶シリコン系太陽電池のトップ層の材料として、ペロブスカイト、有機、CISを対象として分析し、各技術開発のコスト低減への影響を明らかにした。

発表テーマ②

10:35~11:00

蓄電池のコスト構造と技術シナリオ
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
研究員 陳 怡靜、上席研究員 三森 輝夫、上席研究員 岩崎 博

発表概要:

低炭素社会戦略センター(LCS)では、性能の向上と製造コストの低減を達成するための要素技術を評価し、その技術の導入効果を定量的に明らかにする蓄電池評価システムを構築している。蓄電池の製造工程を詳細に分析し、現状の製造コストが17.6円/Whであることを示した。また、将来の技術進展、生産規模の拡大や収率改善を考慮し、高容量密度をもつ特定の新規正・負極活物質を組み合わせた電池を設計し、その性能と製造コストを定量的に評価したことから、2020年に7.9円/Wh、2030年に5.1円/Whに低減の可能性が示された。さらに、製造コストの評価結果に基づいて将来の技術開発課題を明らかにし、高性能蓄電池の実現に向けた科学・技術ロードマップを作成した。

発表テーマ③

11:00~11:25

廃棄物メタン発酵プロセスの高度化に向けた理論的解析方法の開発状況及び結果
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
研究員 加藤 大輔、上席研究員 岩崎 博、上席研究員 三森 輝夫

発表概要:

廃水汚泥や食品残渣からのバイオガス生成は、大きなエネルギー発生のポテンシャルを持っているだけではなく、低炭素化にも大きく寄与する。LCSでは、嫌気性メタン発酵によってバイオガスを生成し、エネルギーとして利活用するプロセスについて、プロセス設計を実行してバイオガス製造コストを検討した。その結果、バイオガスのさらなる普及には25%程度のコスト低減によって製造コストを3円/MJ以下にする必要があることが分かった。また、LCSでは、国際水協会(IWA)によってまとめられた嫌気性消化モデル(ADM1)を用いて、化学反応工学に基づくメタン発酵の解析・検討を実行している。本報告では製造コストの検討結果と、反応解析の現状を紹介する。

発表テーマ④

11:25~11:50

データ活用型材料研究
独立行政法人科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター
特任研究員
独立行政法人物質・材料研究機構
調査分析室 マテリアルズ・インフォマティクスプラットフォーム
門平 卓也

発表概要:

近年、米国「マテリアルゲノムイニシアチブ」発表(2011年6月)を端緒として、ハイスループット第一原理計算、ハイスループット材料合成・分析、マルチスケールモデリング、材料データベースなどの活動に注目が集まっている。これらの研究活動は、コンピュータによる系統的かつ高速な情報処理によって、多種多様かつ大量のデータを効果的に利用する「データ活用型研究」であることが特徴であり、また狙い所でもある。講演では、関連研究を俯瞰する試みについて報告し、今後の方向性について議論する。

11:50
閉会