さきがけ

国立研究開発法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
戦略的創造研究推進事業

[海洋バイオスフィア] 2025年度採択課題

安達 大輝

動物湧昇の定量評価と生物地球化学モデルへの実装

グラント番号:JPMJPR25G1
研究者
安達 大輝

情報・システム研究機構
国立極地研究所
助教

研究概要

深海で餌をとる海洋高次捕食者が排泄を通じて表層へ栄養塩を供給する現象「動物湧昇」に注目し、グローバルスケールでアザラシ種の排泄データを取得してそのメカニズムを定量的に評価する。次に、生物地球化学モデルに「動物湧昇モジュール」を実装し、動物由来の栄養塩供給が一次生産やCO₂吸収に与える影響を定量化する。

伊佐田 智規

沿岸親潮域における海洋アルカリ強化の検証

グラント番号:JPMJPR25G2
研究者
伊佐田 智規

北海道大学
北方生物圏フィールド科学センター
准教授

研究概要

寒流の沿岸親潮が流入する厚岸湾において、海洋CO2除去技術の一つである海洋アルカリ度強化のマイクロコズム検証実験を行い、アルカリ度やpHの化学的な組成の変化、および植物プランクトン群集と生理活性の変化を明らかにします。本研究を通じて、海洋機能の最大限の活用による気候変動対策への貢献を目指します。

大森 裕子

海洋酸性化が揮発性有機化合物の動態に与える影響評価

グラント番号:JPMJPR25G3
研究者
大森 裕子

筑波大学
生命環境系
助教

研究概要

海洋生態系に由来する揮発性有機化合物(VOC)は、大気環境や気候システムの重要な構成要素であり、海洋酸性化によるVOC生成量の変動が気候に影響を及ぼす可能性があります。本研究では、酸性化が進行しているCO₂シープを利用して、酸性化によるVOC動態の変化とその制御因子を明らかにします。得られた成果をもとに、海洋酸性化がVOCを通じて気候に及ぼす影響を評価することを目指します。

齋藤 貴子

ホヤセルロースの分子基盤解明と炭素固定機能の応用展開

グラント番号:JPMJPR25G4
研究者
齋藤 貴子

静岡大学
学術院農学領域
テニュアトラック助教

研究概要

ホヤは植物プランクトンを濾過摂食し、動物で唯一セルロースを合成する特異な性質を持つ海洋無脊椎動物です。本研究では、炭素固定の新たな担い手として注目されるホヤのセルロース合成機構と生育過程における炭素固定量を明らかにし、被嚢に蓄積されたセルロースを利活用する基盤の確立を目的としています。得られた知見を基に、ホヤの特性を資源として応用し、持続可能な脱炭素社会を支える循環型資源モデルの構築を目指します。

中山 佳洋

南極沿岸海洋の炭素循環と操舵の可能性:観測モデル融合研究

グラント番号:JPMJPR25G5
研究者
中山 佳洋

ダートマス大学
セイヤー工科大学院
アシスタントプロフェッサー

研究概要

南極沿岸海洋の炭素循環の重要性が指摘されますが、ほとんど理解されていません。南極特有の海洋循環/生態系/炭素循環を観測と整合的に再現できるモデルが不可欠です。本研究では、高い海洋物理の再現性を実現する海洋モデルに生態系モデルを組み込みます。高い観測再現性を実現し、炭素循環を解明します。感度実験を実施し将来変化/炭素循環操舵について考察し、さらなる理解とモニタリングのための観測デザインを提案します。

濱本 耕平

黒潮が起こす急潮は熱帯化も運んでくるか?

グラント番号:JPMJPR25G6
研究者
濱本 耕平

愛媛大学
沿岸環境科学研究センター
助教

研究概要

近年の海洋温暖化に伴い、温帯性種が優占する生態系が熱帯性種によって取って代わられてしまう「熱帯化」という現象が世界各地で報告されています。その要因の一つとして、海洋熱波に代表されるような急激な水温変動が、局所生物群集に与える影響が考えられます。本研究では、四国と九州の間の豊後水道で生じる「急潮」に注目し、極端な水温の変動が群集に与える影響を、測器による観測と、大規模遺伝子解析により明らかにします。

林 靖人

娘粒子への着目によるマリンスノー崩壊過程の解明

グラント番号:JPMJPR25G7
研究者
林 靖人

海洋研究開発機構
技術研究開発部門 スマートセンシング技術開発センター
特任研究員

研究概要

海洋によるCO2の吸収量・長期貯蔵量は、海洋表層で生じた沈降粒子(マリンスノー)がどの程度の有機物を表層から中・深層へと運ぶかで定まる。マリンスノー中の有機物は深度減衰するため、海洋による炭素貯蔵の将来予測にはマリンスノーの沈降過程とその間の粒子量・有機物量の減衰過程の理解が欠かせない。本研究ではマリンスノー沈降に伴う物理崩壊過程を定量的に測定し、マリンスノーの深度減衰過程の未解明部分を説明する。

細島 頌子

ロドプシンによる光エネルギー変換機構の気候変動における役割

グラント番号:JPMJPR25G8
研究者
細島 頌子

科学技術振興機構 さきがけ研究者

研究概要

藻類は光合成を行い、海洋の炭素循環を担っています。一方で藻類はロドプシンによる光エネルギーの利用も行っているが、その生理的役割は未解明です。本研究では藻類が持つロドプシンの機能を分子レベルで解明し、生理条件下における発現、局在、機能を明らかにします。ロドプシンによる光エネルギー変換の生理的役割を解明することで、気候変動への藻類の応答および海洋物質循環への影響を再評価し、新たな知見に繋げます。

依藤 実樹子

環境精密制御による海洋三重脅威と保全策の生物影響の精査

グラント番号:JPMJPR25G9
研究者
依藤 実樹子

科学技術振興機構 さきがけ研究者

研究概要

将来生じると考えられる海洋温暖化・酸性化・貧酸素化など海洋環境の変化、さらに対応策として検討されている海洋アルカリ化が海洋生物に及ぼす影響を、精密に環境を制御した生物飼育実験と遺伝子・組織解析から探る。生物の種差や生息海域による違いにも着目し、さらに生物影響を軽減する対応策を提案するための実証実験を行うことで、生理学的反応機序推定を検証しながら、保全に対応した技術開発を見込む。

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