電極表面の単分子膜の挙動 Since April 1,2001 
Rev.1 March 1,2002 
 
   

@酸化還元作用を伴わない相構造の変化
表面−末端基間の電位による相互作用変化をトリガーとした、「コンパクトな単分子膜」−「脱着した表面付着ミセル状態」間の酸化還元を伴わない分子集合組織変換に関し、動的機構を解明します。
電極表面と長鎖分子の末端にある吸着活性基(右図の青色部)との間には、表面電荷-双極子相互作用などが働いて、その作用は電極電位に依存します。一方、長鎖部は疎水基であるため、水中では凝集する傾向を示します。
このような電位に依存した相互作用のバランスが分子の集合構造を支配する系で、電極電位を制御することによって起こる相構造の変化と電位の関係を明らかにします。
 
A酸化還元作用を伴う相構造の変化
酸化還元を伴って組織変換を起こす典型的な系として、長鎖ビオロゲンのスパイク的なボルタンメトリ応答を取り上げています。 この応答は、酸化還元反応を伴う相構造の変化であって、Gibbs膜とLangmuir単分子膜との間の一次ファラデー相転移として理解できます。また、相転移は核生成-成長過程で起こっていると推定できます。メゾスコピックレベルの観察により、これらの相構造変化の過程を解明します。
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