科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(ERATO)「デザインインタフェース」研究総括
研究領域
現在使われている身の回りの道具の多くは、プロのデザイナーがデザインし、大量生産された商品であり、それらを消費することで我々の生活は成り立っています。しかし、人間にとって真に豊かな生活の実現のためには、このような限られた選択肢のなかから選んで消費するだけではなく、自らの感性と創造力によって何かを創り出し、それらを自己表現として発信していくことが必要だと思われます。 本研究は、このような問題意識のもと、一般ユーザが種々のものを自ら手軽にデザインできる新たなユーザインタフェースの実現を目指し、その基盤となる計算手法や表現手法等の情報技術の研究を統合的に行うものです。 個人の創造性を体現するために、3次元画像やアニメーション等の「映像表現」、鞄や衣服等の「生活用品」、将来、家庭において人間等との共生が期待される「ロボットの行動」を具体的なデザインの対象として、研究を実施します。
本研究領域は、一般ユーザによる創造的活動を支援するという目標のもとで、ユーザインタフェース研究の立場からCG・CAD・ロボティクスにおける新たな技術基盤の構築を目指すもので、戦略目標「メディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出」に資するものと期待されます。
講演概要
現在使われている計算機は、基本的にユーザの命令どおりにそのまま動くだけであり、適切に命令を下さないと何もしてくれない。人間同士の間では、言われたとおりにそのまま動くというよりも、相手の動作から必要とされる行動を推察し適切に手助けをするという、もっと融通の利くコミュニケーションが行われている。我々は、このような「ユーザの自然な動作から必要とされる手助けを計算機が自動的に推察して手をさしのべる」ようなユーザインタフェースの実現を目指して研究を行っている。
本講演では、以上のようなコンセプトの元で開発を行ってきた種々のシステムについて、実演を交えながら紹介する。具体的には、電子ホワイトボードのためのインタフェース、手書きスケッチよる3次元モデリングシステム、自動ズーミングインタフェース、声を利用したインタフェース、両手で絵を操ってアニメーションを作るシステムなどを紹介する。
プロジェクトホームページ http://www.designinterface.jp/