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光の創成操作と展開
研究者紹介

phase12006.10〜2010.3 2007.10〜2011.3 
芦田 昌明 石川 顕一 井戸 哲也 大村 英樹 尾松 孝茂
桂川 眞幸 久保 敦  熊倉 光孝 長谷 宗明 菱川 明栄
 
  URL: http://groups.ims.ac.jp/organization/hishikawa_g/Welcome.html
 個人プロフィール

【 学歴 】

1989年 京都大学工学部物理工学科卒 
1994年 同大学大学院工学研究科博士課程修了

【 研究歴 】

1994年 東京大学大学院総合文化研究科助手
1997年 同大学院理学系研究科助手
1998年 同講師
1999年 同助教授を経て
2003年4月分子科学研究所助教授(2007年4月より准教授)
2010年4月より名古屋大学大学院理学研究科教授。工学博士。

−主たる研究内容−
光子場物理化学、原子分子物理学
−趣味−
山歩き、旅行など
 研究内容紹介
フェムト秒領域の超短パルスレーザー技術は近年飛躍的な発展を遂げ,これによって原子や分子内の電子?核間クーロン電場に匹敵する電場成分を持つレーザー場 (1012 ~1015 W/cm2 ) を実験室レベルで作り出すことが可能となりました。このような極めて強いレーザー場におかれた原子・分子は,摂動領域の光相互作用下においては見いだされない数多くの特異な挙動を示すことが見いだされ,その性質と原理の解明を目指した研究が物理学,化学,工学にまたがる新たな領域として大きな展開をみせつつあります。
  我々は強レーザー場における分子ダイナミクスを明らかにするために,コインシデンス運動量画像法等の新しい計測手法を開発してきました。解離フラグメントの持つ運動量の相関に基づいて,例えば,(i) CO2やO3分子の構造が変化すること[1],アセトニトリル (CH3CN) においてメチル基 (CH3-) からニトリル基 (CN-) に水素原子が極めて高速に移動すること,またこうした分子構造変化を分子座標系でどの方向に電子を揺さぶるかによって制御できることなどを示してきました[2]。一方で,これまでの研究は主として反応終了後の生成物が持つ情報に基づいて議論されていたにすぎず,「光ドレスト状態の分子がいかにふるまうか」についてはいくつかの疑問点が残されています。
  本研究では強レーザー場における分子のふるまいを,リアルタイムで,しかも分子構造の変化として直接観測することを目的として、軟X線領域の極短光パルスを用いた新規手法の開発を行います。特に,内殻励起による局所イオン化に伴って分子内の特定の原子サイトから放出された電子の波が,周囲に存在する原子に散乱され,元の電子波と干渉することを利用した「光電子ホログラム」(図1)に着目し,強レーザー場中の分子の挙動を刻一刻と追跡することを目的とします。これによって光吸収に伴う化学反応過程一般の理解へ向けた新たなアプローチを創出するとともに,レーザー場と分子の相互作用に関する新たな原理の発見と高効率な分子反応制御方法への指針を与えることを目指します。

菱川研究画像
図1: 時間分解光電子ホログラフィーの概念図
(a)強レーザー場による核ダイナミクスの誘起
(b)極短パルス軟X線による内殻電子のイオン化
(c)周囲の原子による内殻光電子の散乱によるホログラムの形成

[1] A. Matsuda, E. J. Takahashi, and A. Hishikawa, J. Chem. Phys. 127, 114318 (2007).
[2] A. Hishikawa, E. J. Takahashi, and A. Matsuda, Phys. Rev. Lett. 97, 243002 (2006).

 

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