平成12年度採用研究者 [1期生]
( 2000〜2003 )

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大澤 幸生 加藤 和彦 北澤 茂 小池 康晴 佐藤 茂雄 高谷 理恵子
中小路 久美代 中村 克樹 開 一夫 前田 太郎 山本 雅人 四方 哲也
四方 哲也 四方 哲也
現在の所属 大阪大学大学院情報科学研究科
助教授
応募時所属 同上 工学研究科
助教授
プロフィール
1963年京都府生まれ、89年Beckman Research Institute City of Hope,研究員、91年大阪大学大学院醗酵工学専攻終了工学博士、91年大阪大学助手、現在大阪大学大学院情報科学研究科バイオ情報工学専攻助教授(専任)、東京大学総合文化研究科(併任)、大阪大学大学院工学研究科応用生物工学専攻(兼任)、大阪大学大学院生命機能研究科(兼任)、実験進化による生物複雑系への構成的アプローチを行っている。趣味スキューバダイビング

研究課題名 共生関係への移行に伴う遺伝子代謝ネットワークの再編成
研究概要

 独立に発達したネットワーク(NW)を融合させるには、動的安定性と整合性を保ちながらNW及びNW間にどのような信号伝達の制御が行われているかを知る必要があります。この問題解決に向け、独立に進化してきた遺伝子代謝NWをもつ2種の生物を用いて、共生関係の進化と、その過程で起こるNWの再編成について研究します。



研究成果

目的


 過去に全く遭遇したことのない2種生物の共生系形成の初期過程は、1つの生物にとって、未知の生物が環境に突然現れることから始まる。その際、細胞は遺伝子代謝ネットワークを変化させて、他の生物という新しい環境に柔軟に適応する必要がある。この環境変化は過去に経験したことがないので、それに対応する遺伝的プログラム、または、分子認識機構をあらかじめ用意することは出来ない。このプロジェクトは、新しい共生系形成過程の解析から、生物の非線形ネットワークの示す柔軟な環境適応性の基礎的知見を得ることを目的とした。

結果

1)大腸菌―粘菌共生系の形成過程を解析して、その形態変化と遺伝子代謝ネットワークの再編成を明らかにした。
2)遺伝子代謝ネットワークの再編成(進化、分化、環境適応)で保存される規則として、同じ傾きをもつべき乗則が見つかった。
3)競争関係にある大腸菌を一定環境で進化させると、細胞間相互作用によって共生関係へ移行することが分かった
4)以上の実験をもとに、非線形ネットワークがしめす環境応答機構として、「アトラクター選択による適応応答」が提案され、そのネットワークをもった大腸菌を用いて、実験的に証明された。

展望

 このプロジェクトに立ち上げた人工共生系を用いて、その発達の詳細な時系列解析を進めている。その解析の中で、提唱された「アトラクター選択による適応応答」が天然のネットワークでも用いられていることを証明する。さらに、「アトラクター選択による適応応答」を示す大腸菌の細胞間相互作用を制御することによって、多細胞性、同所的種分化などの生物学上の問題に取り組む。また、if then else型ではないこの新しい制御機構を情報科学への応用を試みる。
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