*** 本研究領域は終了いたしました ***
色受容ユニットの配列パターンと視覚機能
蟻川 謙太郎
(横浜市立大学理学部 教授)
(同上)
(同上 助教授)

網膜内の色受容細胞配列に見られる規則性と乱雑さが、ものをみるはたらきとそれぞれどのような関係にあるのか、チョウ類の視覚系を使って、分子生物学、および行動学の方法を駆使して研究します。
軟体動物の特異な遺伝現象に関する基礎的研究
上島 励
(東京大学大学院理学系研究科 講師)
(同上)
(同上)

軟体動物では、他の生物では知られていないような特異な遺伝現象を示すものがあります。本研究では、軟体動物にのみ見られる特異な遺伝現象(一部の軟体動物における染色体やミトコンドリアゲノム構造に著しい可変性や雌雄両性特異的ミトコンドリアDNA)に注目し、その分子遺伝学的構造や生物学的意義を解明するための基礎的研究を行います。
絶滅した生物の生態をコンピュータを用いて再現する
宇佐見 義之
(神奈川大学工学部 助手)
(同上)
(同上)

絶滅した生物の生態を進化・生物学理論に基づきコンピュータの中に再現することを目指します。化石情報をもとにコンピュータ内に絶滅した生物を再構成し、力学計算のもとに、これらの生物を仮想空間中に蘇らせることが研究のねらいです。
Moleculicsを実現する空間の形状制御
大久保 達也(東京大学大学院工学系研究科 助教授)
(同上)
(同上 講師)


分子の一つ一つを操作し、自在に分子や反応を集積させる手法の開発を検討します。分子を操作するためには、分子サイズの「場」の創出が不可欠になります。そこで無機結晶中の分子サイズの空間とそのネットワークの「形」の制御及びその機能化に主眼をおいて研究を進め、新しい学問分野Moleculicsの開拓を目指します。
機能集積型高次構造を有する人工レセプター
久保 由治
(埼玉大学工学部 助教授)
(同上)
(同上)

近年の有機合成化学の進歩は巧みにデザインされた三次元構造体の構築を可能にしました。本研究では、天然のレセプターに迫る”認識空間”を合成分子を通じて構成し、そこへ多彩な化学的・物理的機能を連携させることによって、新しい機能集積型分子システムの達成を目指します。
骨形成過程に関わる遺伝子群の解明
小守 壽文
(大阪大学大学院医学系研究科 助手)
(同上)
(同上)

骨形成過程を明らかにするのに最も重要な、骨芽細胞の分化は全く未知であったが、これを支配する遺伝子の一つがCbfalであることが、そのノックアウトマウスの解析により明らかとなった。骨形成過程の第一歩が明らかとなったわけであるが、最終的に骨が形成されるまでには、さらに多くのステップが必要である。この研究では、Cbfalノックアウトマウスを用いることにより、Cbfalのターゲット遺伝子を次々に明らかにしていき、骨形成課程に関わる遺伝子群の全容解明を目指す。
形の作り直し−再生現象の分子生物学的解析−
西川(清水) 慶子
(科学技術振興事業団 地域結集型共同研究事業 特別研究員)
(広島大学理学部 客員助教授)
(神奈川科学技術アカデミー生体シグナル伝達プロジェクト 非常勤研究員)

生物の形作りの過程は、通常、 複雑度をます方向へと進みます。しかし、これには例外があります。それは、一度作った形を再び作り直すこと、「再生」です。本研究では、優れた再生能力を持つ有尾両生類をモデル動物とし、再生現象のなかでも鍵となる脱分化のメカニズムを分子レベルで解明することを目指します。
アサガオ(Ipomoea nil)のモデル植物化に関する研究
仁田坂 英二
(九州大学大学院理学研究科 助手)
(同上)
(同上)

日本独自の園芸植物であるアサガオには江戸時代から保存されている興味深い突然変異体が多数存在し、モデル植物としてもいろいろと優れた点があります。そのため突然変異系統の生理、維持、分子マーカーを含む遺伝学的地図の作製、トランスポゾンタギング系の開発、形質転換法の確立を通じて葉や花の形態形成や種分化のしくみの解明を目指します。
微小管を介した情報伝達の一分子イメージング
武藤 悦子
(理化学研究所 上級研究員)
(科学技術振興事業団 さきがけ研究21 研究員)
(科学技術振興事業団柳田生体プロジェクト 研究員)

一分子顕微鏡および蛍光分光の技術を用いることによって、微小管が構造変化していく過程をリアルタイムで映像化する実験系を確立し、細胞内での情報伝達に微小管の構造変化がどのように関わっていくか解明します。
ランダム配列からの機能性蛋白質の創出
四方 哲也
(大阪大学大学院工学研究科 助教授)
(同上)
(同上 助手)

100アミノ酸程度のランダム配列から機能のある蛋白質を進化的手法で創り出します。この人工分子進化のプロセスを解析することによって、蛋白質がほぼ単一の3次構造をとることの起源を探ります。
磁性フォトニック・クリスタルの構造と機能に関する基礎的研究
井上 光輝
(豊橋技術科学大学電気・電子工学系 教授)
(東北大学電気通信研究所 助教授)

結晶中の電子の役割を光で置き換えたフォトニック・クリスタルは、フォトニックバンドを利用して、極めて多彩な光波制御が可能になります。本研究では、磁性体で構成したフォトニック・クリスタル(磁性フォトニック・クリスタル)に着目し、スピン依存フォトニックバンドなど、その機能と構造の関係を解明します。また2次元、3次元磁性フォトニック クリスタルの形成を試み、光電子デバイスへの応用を目指します。
低分子アンサ型化合物の化学的情報伝達機能
鹿又 宣弘
(明治大学理工学部 助教授)
(理化学研究所 協力研究員)


アンサ化合物の面性キラリティーに着目し、自己増殖・情報転写・触媒的不斉誘導などの化学的情報伝達機能の創製を低分子化合物の中に求めて行きます。
野生マウスの体内回路網形態と行動
小出 剛
(国立遺伝学研究所 助手)
(同上)


動物は進化をしていくに従い遺伝的変化を生じ、多様に行動を変化させています。こうした動物の多様な行動を解析するために、遺伝的に異なった野生由来マウス系統を用いて行動の多様性を生み出す体内の回路網としの背後にある遺伝子の多様性を探求していきます。
線虫の化学走性行動の分子遺伝学:神経回路の形とはたらき
古賀 誠人
(九州大学大学院理学研究科 助手)
(同上)


線虫は好きな味に寄っていく。この走性行動に異常を起こす遺伝子を分子遺伝学的に明らかにし、電子顕微鏡レベルで明らかな全神経回路網の上にその機能を位置づけることにより、神経細胞のどの結合がどう働くことで行動を産み出すのかを探ります。
タンパク質多層集積構造によってバイオ技術を飛躍させる研究
斎藤 恭一
(千葉大工学部 助教授)
(同上)

多孔性中空紙膜の孔表面上に形成されたタンパク質多層集積構造という形を利用して、タンパク質の超高速精製、光学異性体の完全分離、そして長期高活性な酵素反応という3つの働きをさせます。
細胞内小器官ゴルジ体はなぜ特徴的な層板構造をとるのか
近藤 久雄
(科学技術振興事業団 さきがけ研究21 研究者)
(Imperial Cancer Reserch FundCell Biology Lab, Scientific staff)

細胞内小器官の一つであるゴルジ体は、蛋白の細胞内修飾及び細胞内輸送に重要な役割を果たしています。そのゴルジ体は、扁平膜が幾層にも極性を持って積層した特異な形態を示します。 本研究では、ゴルジ体がどのようにこの層板構造を形成し、その層板がゴルジの機能とどう関係しているのかを明らかにすることを目指します。
心臓が大きく強くなるしくみの研究
阪本 英二
(厚生省 国立循環器病センター研究所 室長)
(同上)


実験動物の心臓に遺伝的あるいは環境的な負荷をかけ、それに応答して発現する遺伝子を探索することで、心臓が物理的あるいは化学的なストレスに適応し、恒常的に働くしくみの解明をめざします。
低分子化合物による蛋白質の形とはたらきの制御
袖岡 幹子
(東北大学反応科学研究所 教授)
((財)相模中央研究所 主任研究員)


細胞内情報伝達酵素であるプロテインキナーゼCの形とはたらきを制御する化合物を創りだし、巨大な蛋白質の低分子化合物による活性調節のしくみを明らかにすることを目指します。
2つのT-box遺伝産物As-TとAs-T2の形とはたらき
高橋 弘樹
(岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 助手)
(京都大学大学院理学研究科 助手)


非常によく似たT-boxを持つ転写因子の一方が脊索細胞の分化(As-T)を、もう一方が筋肉細胞の(As-T2)を制御します。それではどのようにしてAs-Tは脊索を作りAs-T2は筋肉を作るのか。この2つのT-box遺伝子産物のタンパク質高次構造に依存したダイナミックな機能の変化を追跡します。
横紋筋収縮調節タンパク質複合体の構造解析
武田 壮一
(理化学研究所 研究員)
(松下電器産業(株)中央研究所 リサーチアソシエート)


筋肉の収縮はカルシウムイオンにより調節されています。本研究では調節の要となるトロポニンの機能ドメインの抽出・結晶化・X線結晶解析を試み、収縮制御の原子レベルでの理解を目指します。
クロロフィル分子集合体の超分子構造形成と機能発現
民秋 均
(立命館大学理工学部 教授)
(同上 助教授)


光合成アンテナのモデル系を合成色素分子の自己集合体によって調製し、その超分子構造の解明と機能発現を行い、さらに、この分子集合体の構築原理をもとにして、新規な高次構造体の構築と機能化を目指します。
花の形を作る遺伝子系の起源と進化
長谷部 光泰
(岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 教授)
(同上 助教授)


生物の形の進化・多様性を探ることは、形態形成遺伝子系の進化・多様性を探ることに他なりません。本研究では、植物の生殖器官である花がどのような遺伝子系の変化によって進化したのかを解きあかすつもりです。
脳細胞の活動と形態変化の高速高分解能計測
藤崎 久雄
(科学技術振興事業団 さきがけ研究21 研究員)
((株)ニコン筑波研究所 主任研究員)


ビデオレート2光子顕微鏡を用いて、生きている脳を安全に高分解能で動態観察し、かつ活動の計測を同時に行う方法を確立して、脳内の細胞の形態と活動との関係を明らかにします。
葉とシュートの分化に関する分子生物学的解析
塚谷 裕一
(岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所 助教授)
(東京大学分子細胞生物学研究所 助手)


種子植物の基本要素である葉の形態形成制御系を明らかにするため、モノフィレア、キソケトン、といった独自の研究材料を分子遺伝学的に解析し、葉とシュートとの分化あるいは葉の進化に関わる遺伝子ネットワークの解明を目指します。
篩管を通じたmRNAや蛋白質の長距離移動
藤原 徹
(東京大学大学院農学生命科学研究科 助手)
(同上)


高等植物の篩管は光合成産物などの通り道です。篩管は脱核した細胞からできていますが、最近、篩管液にはmRNAや蛋白質が含まれていることがわかってきました。これらの物質がどこから何のために篩管に運ばれてくるのかを明らかにすることを目指します。
細胞内情報伝達機構の1分子イメージング
船津 高志
(早稲田大学理工学部 助教授)
(同上)


細胞内で生体分子が機能している現場を、蛍光顕微鏡法を用いて1分子レベルでイメージングする技術を開発します。この技術を応用して、細胞内情報伝達と情報処理の分子機構の解明をめざします。
生体高分子の自己組織化と分子進化
三原 久和
(東京工業大学大学院生命理工学部研究科 助教授)
(同上)


ポリペプチドは、タンパク質の原始型のような組織化構造を形成します。ペプチドの自己認識能、自己組織化能や自己複製能等の特性を核酸等との関係も含めて追求する研究を行います。ペプチド集合体の形を分子の進化と関連づけ、新しい分子設計の概念確立を目指します。
微小脳の高次中枢のモジュール構造と情報表現
水波 誠
(北海道大学電子科学研究所 助教授)
(同上)


昆虫の脳「微小脳」の設計原理を解明するための第一歩として、その最高次中枢であるキノコ体に見られるモジュール構造の機能的な意義を、生理学、行動学、および光学計測の方法を用いて明らかにします。
動的らせん分子の創製と応用
八島 栄次
(名古屋大学大学院工学研究科 教授)
(同上)


本研究では、高分子での高次構造の最も基本的ならせん構造に着目し、その形の制御とはたらきの発現を有機化学的手法にのっとり行うことを目的としています。
脊椎動物の脳の細胞系譜の解析
弓場 俊輔
(大阪大学細胞生体工学センター助手)
(大阪大学大学院医学系研究所 助手)


ゼブラフィッシュは、脊椎動物の脳の基本構造を備えた新しいモデル動物です。この生物の脳の神経細胞が胚から成魚にいたる過程でどのような系譜をたどるのかを、最も先進的な光学および分子生物学的技術を駆使して追跡することによって脳の構成原理の解明に迫ります。
巻貝の左右性とはたらき
浅見 崇比呂
(信州大学理学部 助教授)
(同上)


巻貝の巻き方向は種ごとに左右どちらか一方に決まっており、左巻きと右巻きは一般に、内蔵の左右も反転した鏡像体です。生物界ではほとんど類を見ない、この鏡像種が新化するメカニズムを遺伝学と生態学の手法により解明します。
プラナリアにおける生殖戦略転換機構
小林 一也
(科学技術振興事業団 さきがけ研究21 研究者)
(東京工業大学生命理工学部 研究生)


無声固体に有性固体を投餌することによって有性生殖へ転換可能なプラナリアを用いて、有性生殖誘導因子の単離ならびに有性化特異的に発現する遺伝子の解析を行い、生殖様式転換機構の一般的な理解を目指しています。
脳のセグメント構造に見られるパラレルプロセッシング
小田 洋一
(大阪大学大学院基礎工学研究科 助教授)
(同上)


脳がセグメント(節)構造をとったことが、脳の機能原理に重要な方向を与えたのではなかろうか?魚の逃避運動の多様性を後脳のセグメントに現れる網様体脊髄路ニューロンの機能分化と機能統合によって理解したい。
人工触媒で水が不可する反応の位置や立体を制御する
徳永 信
(北海道大学触媒化学研究センター 助教授)
(理化学研究所 有機金属化学研究室 基礎科学特別研究員)


水和や加水分解反応などで、位置や立体の制御を行うことを目的とします。天然酵素やこれまでの人工酵素と異なり、形のある触媒部位のみで構成される有機金属触媒を用い、工業的に有利な高濃度反応の開発を目指します。
相同組換え時にDNAを回転させる蛋白質RecA
西中 太郎
(科学技術振興事業団 さきがけ研究21 研究者)
(理化学研究所 遺伝性化学研究室 基礎科学特別研究員)


本研究は、相同組換え反応におけるRecAフィラメント、(三重鎖)DNAの両らせん構造体のATP加水分解を伴って行われる回転機構を、1分子観測により解明することを目的とします。
1分子の3次元像再構成法に基づく分子モータ作動機構の探索
片山 栄作
(東京大学医科学研究所 助教授)
(同上)


急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡技術を駆使して、実際に運動中の生物分子モーターを一瞬に固定し、個々の蛋白質分子の姿を高分解能で観測するとともに、新たな3次元像再構成法により、構造変化の実態を検証する。
共生藻を利用した原生動物の生存戦略の多様化
細谷 浩史
(広島大学大学院理学研究科 教授)
(同上)


ミドリゾウリムシは代表的な原生動物である繊毛虫の一種であり、内部に多数の共生藻が共生していることが知られています。本研究では、共生藻のミドリゾウリムシへの共生メカニズムを解明することを通じて、動物細胞に共生藻が共生することの意義を明らかにしたいと考えます。
頭部の形成に関わる分子機構
橋本 主税
(京都大学大学院生命科学研究科 助手)
(同上)


脊髄動物の頭部形成過程を制御する機構を、アフリカツメガエルをモデル動物として分子生物学的および胚発生学的に解析することによって、固体発生過程で頭部構造が生じる本質的な原理を明らかにします。
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