第2期生研究者6名が、本年度3月を持ちまして、研究終了を予定しております。
 つきましては、下記の要領にて、これまでの3年間に得られた研究成果を皆様にご報告することになりました。下記プログラムにありますように、多様な分野の創造性豊かな研究を含んでおります。 ポスター・デモセッションや研究交流会など参加者の皆様とのコミュニケーションの機会を多くし、親しみやすい報告会を目指しております。 皆様との対話を通じて、研究終了後もますます研究が発展するためにご助言を頂きたくお願い申し上げます。
 ご多忙中とは存じますが、万障繰り合わせご来場賜りたくご案内差し上げます。
                              「情報基盤と利用環境」 研究総括 富田 眞冶

− 記 −

【日 時】2005年12月21日(水)
     講演会 13:30〜18:15[入場無料]
     研究交流会 18:30〜20:30[会費 3,000円]
  【場 所】東京ガーデンパレス 2F 雅の間
     (JR御茶ノ水駅、地下鉄 御茶ノ水駅・新御茶ノ水駅より聖橋方面 徒歩5分)
     (※当日は同時間に、さきがけ「機能と構成」領域(研究総括:片山卓也先生)の研究報告会も
       開催されます)
【プログラム】
13:30〜13:45開会の辞 研究総括 富田 眞治
[座長] 稲見 昌彦
13:45〜14:15

 飯田 全広
 (熊本大学)
「やわらかいハードウェアの実現に向けて」

ハードウェアはいったん設計・製作してしまうと変更が難しいことから文字通り「硬いもの」である。 一方、ソフトウェアは後から自由に変更や修正が行えることから「柔らかいもの」と言える。 この研究は「やわらかいハードウェア」と言う一見矛盾した物を対象として、どのように作ればよいか、それによって何ができるのかを探求している。これまでにやわらかいハードウェアとしてFPGAなどのプログラマブル・ロジックが利用されているが、この研究はより高機能なデバイスアーキテクチャを実現した。

14:15〜14:45

 本間 尚文
 (東北大学)
「ハードウェアアルゴリズムの高水準設計技術」

身の回りのあらゆる機器にLSIシステムが搭載されるユビキタス社会においては、システムの性能を左右するデータパスを用途に応じて適切に設計する必要がある。 一方で、近年のLSI集積度の急激な向上により、その設計はますます複雑で困難になっている。 本研究では、データパスの設計を高水準なアルゴリズムレベルで行うための技術を開拓した。データパス設計に特化した言語とその言語処理系、データ構造に関する成果を紹介する。

[座長] 井上 弘士
14:45〜15:15

 中島 康彦
 (京都大学)
「命令レベル並列がダメなら,命令を減らせ!」

商用プロセッサの世界では,スーパスカラやVLIWなど,命令レベル並列性(ILP)を利用した高速化手法が花盛りである。 しかし、命令レベルの並列処理を追求する従来の方式では、明示的並列性の乏しい「普通のプログラム」に対する今後の飛躍的な性能向上が望めなくなってきている。 これに対し、ハードウェアが命令列を「実行しない」ことにより、従来とは異なる視点に基づく高速化が可能ではないかと考えた。 本講演では,連想検索機構を組み込んだ、先進的な命令実行モデルの研究について紹介する。

15:15〜15:45

 吉瀬 謙二
 (電気通信大
 学)
「独自の命令形式を用いる高性能マイクロプロセッサ」

消費電力や熱の問題からマイクロプロセッサの動作周波数の向上を続けることは好ましくない。動作周波数の向上に頼ることなく高い性能のマイクロプロセッサを実現するためには、多数の命令を同時に処理する大規模な並列処理の仕組みが有効になると考えられる。 そこで、本研究では、高性能マイクロプロセッサを実現するための基盤技術として、独自の命令形式を用いて高い並列性の利用を可能とする高性能マイクロプロセッサの検討をおこなった。

[座長] 加賀美 聡
16:00〜16:30

 浮田 宗伯
 (奈良先端科
 学技術大学
 院大学)
「ユビキタスカメラによる広域・多数対象追跡」

広域に分散配置された多数のカメラ(ユビキタスカメラ)を利用して、移動対象の情報(移動軌跡,詳細な画像情報など)を獲得するシステムを構築するために必要な様々な技術に関して述べる。 具体的には、照明変化などの背景変動に頑健な観測画像からの対象検出、少数の首振りズームカメラによる多数対象の継続的な観測、監視などのタスクに応じて適当に配置された多数カメラ集合の視野間の連結関係を自動的に推定する手法、およびそのカメラ集合が観測した対象の移動軌跡の推定法を紹介する。

16:30〜17:00

 五十嵐健夫
 (東京大学)
「誰にでも使える3次元コンピュータグラフィクスを目指して」

3次元CGは、映画やゲームなどで広く目にするようになってきているが、その作成は依然として困難な作業である。我々の目的は、このようなCG作成の手間を軽減することにより、誰もが3次元CGを表現手法の一つとして利用できるようにすることである。 講演では、手書きスケッチによる3次元モデリング手法、3次元キャラクタに衣服を着せ付けたり動きをつけたりする手法、中身の詰った3次元モデル表現などについて紹介する。

17:00〜17:15閉会のあいさつ (独)科学技術振興機構 研究推進部
17:30〜18:15ポスター・デモセッション
18:30〜20:30研究交流会 「機能と構成」領域と合同開催(会費3,000円)

※ポスター・デモセッション、研究交流会を用意しておりますので研究者と直にじっくりとお話することができます。

 尚、参加申込は、E-mailにて小林まで、組織名・ご所属、役職・お名前・電話番号をご記入の上、ご送信ください。

 連絡先:〒604-0847 京都市中京区烏丸通押小路上ル秋野々町535 日土地京都ビル2F
 独立行政法人 科学技術振興機構 「情報基盤と利用環境」領域事務所 小林まで
 TEL:075−257−9800 FAX:075−257−9801