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鳥本 司
(名古屋大学大学院工学研究科 教授)
(北海道大学触媒化学研究センター 助教授) |
ナノメートルサイズで高度に構造規制されたデバイスを作製するためのアプローチとして、自己組織化によるナノ構造形成が注目されています。本研究では、半導体ナノ粒子が引き起こす光化学反応と高度に単分散化されたナノ粒子の持つ自己組織化とを組み合わせ、半導体および金属ナノ粒子からなる複合粒子の構造規制を行うとともに集積化することで、ナノ複合機能材料の創製を目指します。 |
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(1) |
"Fabrication of CdS Nanoparticle Chains along DNA Double Strands"
T. Torimoto, M. Yamashita, S. Kuwabata, T. Sakata, H. Mori, and H. Yoneyama, J. Phys. Chem. B, 103, 8799-8803 (1999) |
(2) |
"Characterization of Ultrasmall CdS Nanoparticles Prepared by the Size-Selective Photoetching Technique", T. Torimoto, H. Kontani, Y. Shibutani, S. Kuwabata, T. Sakata, H. Mori, and H. Yoneyama, J. Phys. Chem. B, 105, 6838-6845 (2001). |
(3) |
"Preparation of Novel Silica-Cadmium Sulfide Composite Nanoparticles having Adjustable Void Space by Size-Selective Photoetching", T. Torimoto, J. P. Reyes, K. Iwasaki, B. Pal, T. Shibayama, K. Sugawara, H. Takahashi, and B. Ohtani, J. Am. Chem. Soc., 125, 316-317 (2003). |
(4) |
"Immobilization of Cadmium Sulfide Core-Silica Shell Nanoparticles Having Adjustable Void Space Between Core and Shell", T. Torimoto, J. P. Reyes, S.-y. Murakami, B. Pal, B. Ohtani, J. Photochem. Photobiol. A Chem., 160, 69-76 (2003). |
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※(3)、(4)はさきがけによる成果。 |
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受賞名 |
平成13年度 電気化学会進歩賞・佐野賞 |
受賞題目 |
半導体粒子の機能化と光電気化学特性制御 |
受賞年月日 |
平成13年4月2日 |
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(1) |
自己研究紹介
半導体粒子のサイズが小さくなり、およそ10nm以下になるとバルク半導体とは大きく異なった物理化学特性を示す。これは主に量子サイズ効果による電子エネルギー構造の変化のためである。
私は、単分散な半導体ナノ粒子の新規作製法として、サイズ選択的光エッチング法を独自に開発した。この方法では、半導体ナノ粒子の量子サイズ効果と、金属カルコゲナイド半導体の光酸化溶解反応を利用する。広い粒径分布を有する半導体ナノ粒子に、その吸収端の波長よりも短い波長の単色光を照射することで、粒径の大きな半導体ナノ粒子のみを選択的に光励起し溶解させ、より小さな粒子へと粒径をそろえる方法である。また、光エッチングに用いる単色光波長を変化させるのみで、得られる単分散半導体ナノ粒子のサイズを自在に制御できるという利点を持つ。
さきがけ研究では、このサイズ選択的光エッチング法を用いて、新規ナノ複合機能材料の創製を目指している。シリカ被覆硫化カドミウムナノ粒子(CdSコア−SiOシェル構造)にこの方法を適用すれば、シェルとコア粒子の間にナノメーターサイズの空隙が形成され、さらにその空隙サイズは照射光波長を変化させることにより制御できることを見いだした。得られた構造体は"鈴"に似た構造をとることから、シングルベル型ナノ構造体と名付けている。内部空隙はナノサイズの化学反応空間(ナノフラスコ)としての利用が期待でき、新規触媒反応の開発および金属ナノ粒子の析出による金属―半導体ナノ接合形成へと研究を展開している。 |
(2) |
Japan Nanonet Bulletin 第26号に紹介された。
http://www.nanonet.go.jp/japanese/mailmag/2003/026b.html |
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(1) |
発明者 |
鳥本 司 |
発明の名称 |
内部に制御された空隙を有するコア・シェル構造体及びそれを構成要素とする構造体並びにこれらの調製方法 |
出願番号 |
特願2002-052395号 |
公開番号 |
特開2003-251599 |
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※( )内は、上段が研究者の現在の所属、下段は応募時の所属 |
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