さきがけニュース
「生体分子の形と機能」領域

「生体分子の形と機能」領域水島 恒裕研究者
タンパク質分解酵素ユビキチンリガーゼの糖鎖認識機構を解明し
米国ネイチャー・ストラクチャー&モレキュラー・バイオロジー誌に掲載される


 戦略的創造研究推進事業「生体分子の形と機能」研究領域(研究総括:郷 信広)における研究テーマの一環として、水島恒裕研究者(平成13年度採択)等による「立体構造を基にした糖鎖認識ユビキチンリガーゼの認識機構」が米国の情報誌「ネイチャー・ストラクチャー&モレキュラー・バイオロジー」(2004年4月号)に掲載されます。

 タンパク質は正しく折れたたまれて初めて機能しますが生体内では多くの折れたたみ異常が発生し癌・パーキンソン病などの原因になります。生体にはこれら異常なタンパク質を分解するシステムがあり、ユビキチンもその一翼を担っています。ユビキチンは真核生物に普遍的(ユビキタス)に存在し、タンパク質分解のシステムのなかで異常タンパク質を標識します。ユビキチンを異常なタンパク質に付加する酵素がユビキチンリガーゼです。最近、異常タンパク質をその糖鎖で認識する機構が提案されており、私はこの糖鎖認識機構であるユビキチンリガーゼ複合体において糖鎖を認識する領域を抽出しその立体構造を決定しました。その結果、従来のシート部分での認識とは異なりループ部分で糖鎖を認識していることがわかりました。


氏  名 水島 恒裕(みずしま つねひろ)
所  属 「生体分子の形と機能」領域(URL:http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/complete/biomolpresto/
研究期間 2001年12月〜2005年3月
研究課題 癌・パーキンソン病の解明を目指したユビキチンリガーゼ複合体の結晶構造に関する基礎的研究
所  属 名古屋大学 大学院工学研究科 助手
Email mizushi@hix.nagoya-u.ac.jp

【関連URL】

[研究者ページ] http://www.jst.go.jp/kisoken/presto/research/17seitaibunshi/tmizushima/
[NSMB誌] http://www.nature.com/nsmb/


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