戦略的創造研究推進事業「生体分子の形と機能」研究領域(研究総括:郷 信広)における研究テーマの一環として、田口英樹研究者(平成14年度採択)等による「シャペロニンGroELは二つの連続したタイマーを使って蛋白質の折りたたみを助ける」が,米国学術誌「Molecular
Cell」(2004年5月21日号)に掲載されました.
蛋白質が細胞内で正しく折りたたむ際には分子シャペロンと呼ばれる介助蛋白質が必要です.その分子シャペロンの中でもシャペロニンGroELという蛋白質は基質となる変性状態の蛋白質をGroEL自身が持つ空洞内に閉じこめることで効率よく蛋白質の折りたたみを助けますが、その作用機構は十分に解明されていません.田口研究者らのグループが、このシャペロニンGroELの作用機構を1分子蛍光イメージングなどを用いて調べた結果、GroELはATP加水分解のサイクルと共役した二つのタイマーをうまく作動させながら蛋白質の折りたたみを効率的に助けることを見いだしました.
なお、この成果は東京工業大学資源化学研究所・吉田賢右教授、東京大学薬学部・船津高志教授との共同研究の成果です. |