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トピックス

2006年3月12日

西田チームの研究がNHKスペシャルで紹介されました。

「先進的統合センシング技術」領域(代表 板生清)の「事故予防のための日常行動センシングおよび計算論の基盤技術」(研究代表者 西田佳史)では,子どもの不慮の事故を予防し,明日を担う子どもが健やかに育つことができる安全・安心な社会を実現するための基盤技術を確立することを目的として,これまで,子どもの行動のセンシング技術とモデリング技術の研究を鋭意進めてまいりました。その活動の一部が,NHKスペシャル「子どもの事故は半減できる」(平成18年3月12日 午後9時〜9時52分)で放映されました。

取り上げられた活動の概要
 本研究の一環として,病院を定点として,子どもの事故の情報を収集し,予防に役立てるシステム(事故サーベイランスシステム)の開発を進めています。これは,実際の医療現場で運用可能であり,事故情報を収集することやそれに基づく疫学的な研究だけに留まることなく,具体的な予防法へと活用可能な事故サーベイランスシステムを目指すものです。
 オーストラリアやアメリカなどの諸外国では、事故事例を収集する事故サーベイランスシステムは存在していますが、事故情報を利用して、予防法を検討する体系的な仕組みはありません。
 そこで,本研究グループでは,事故サーベイランスシステムのユーザとなる医師や,予防対策を考案できる遊具メーカ,建築学の専門家,子どもの行動理解の研究者(人間工学,情報工学,機械工学)といった各方面の専門家を構成員とする研究会(事故サーベイランスプロジェクト:代表 山中龍宏)を新たに発足させました。事故サーベイランスプロジェクトでは、実際に,事故情報の収集から予防までの一連の作業を一巡する活動を行なうことで,今後解決すべき課題を洗い出す活動を行いました。
 こうした活動を進めるには、多くの人の協力が必要となりますが、特に、被害にあわれた子どもやその家族の協力が不可欠です。幸い、家族の協力が得られる事故事例が見つかりました。この事故では,公園遊具で遊んでいる子どもが遊具から転落した結果,腎臓に損傷を生じました。事故サーベイランスプロジェクトのメンバーによって、この事例を貴重な題材として、(1)病院での怪我の情報収集,(2)現場での聞き取り調査,(3)現場検証,(4)遊具で遊ぶ子どもの行動理解,(5)遊具の対策法の考案,(6)危険と対策法の周知,(7)改善の実施という一連の活動を実践しました。
(これらの一連の実践的活動や事故サーベイランスプロジェクトで行なった国内外の各種サーベイランスの調査内容を報告書にまとめ、平成18年3月26日に事故サーベイランスプロジェクトシンポジウムを開催しました。)

事故予防のための知識循環

事故予防のための知識循環


番組の概要が書かれたNHKのURLは以下。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/060312.html

事故サーベイランスプロジェクトのURL
http://www.dh.aist.go.jp/projects/child/

事故サーベイランスプロジェクトシンポジウムのURL
http://www.dh.aist.go.jp/projects/child/symposium/


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