トップページ > 研究代表者・研究課題
研究代表者・研究課題
研究代表者・研究課題紹介
【平成17年度採択】
社会の安全・安心に貢献するユビキタス集積化マイクロセンサの開発
石田 誠
豊橋技術科学大学工学部 教授
本研究では、安心して暮らせる安全な社会の実現に向けて、あらゆる生活空間においてセンサネットが形成可能な完全無線型集積化マイクロセンサ・ノードを開発します。超小型の各種センサと知能化回路を一体形成し、その上、独自の技術によって微弱無線回路と高性能無線エネルギー授受機構をチップ上に集積化します。これにより、電源や電池寿命から解放された完全無線型マイクロ集積センサ・ノードの世界初の実現を目指します。その結果、人工物・生体のヘルスケアへの応用へつなげます。
車谷 浩一
産業技術総合研究所 情報技術研究部門 マルチエージェントグループ長
本研究では、街角・オフィス・美術館・家庭のような人間の生活空間を見守り、安全と利便性を同時に達成する空間見守りシステムを実現することを目的とします。最終的には、協調ナビゲーション・危険状況の検知・緊急時避難計画作成などの安全・安心・利便性を提供する情報環境(サービスシステム)を実現します。そのために、人流センシングとシミュレーション・情報共有による予測型情報を統合し、社会の共有資源(通路・広場・窓口・施設等)の利用を円滑化する動的資源割当を行い、携帯情報端末装置への情報配信システムとして実現します。
佐藤 知正
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授
本プロジェクトでは生活・物流・自動車分野において、
1)自動車・家電などの機械の稼動や利用者の行動などのふるまい情報を計測・蓄積し、その特徴やくせを抽出する統合センシング技術、2)この情報に基づいて個別適 合したサービスを可能とする技術を確立します。これにより、個性をもつ個人や個別状況に対応した、きめ細かな安全・安心サービスを実現します。
都甲 潔
九州大学大学院システム情報科学研究院 教授
本研究では、目的分子と選択的に結合する抗体及び鋳型分子認識膜を、表面プラズモン共鳴センサ及び表面分極型センサと組み合わせ、イヌの鼻を超えるppt(parts per trillion)レベルの検出感度を有する超高感度匂いセンサシステムを開発します。当センサシステムから構築されるネットワークは、空港・鉄道等のセキュリティー、警察での爆発物探知等への応用のみならず、食品や水の品質管理も含め、安全・安心な社会の実現に貢献するものです。
西田 佳史
産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センター チーム長
ユビキタス型・インターネット型人間センシング技術、大規模な人間行動蓄積データの処理技術、人間行動の計算論とを統合することで、個々の人の「現在の状態」を観察するだけでなく、「一歩先の状態」を観察するセンシングの基盤技術を確立します。これらの技術を、要素技術としてだけでなく、社会システム技術として乳幼児・高齢者の事故予防分野へ応用し、実際的な成果をあげつつ、事故予防のためのセンシングおよび計算論の基盤技術に寄与します。これにより、「日常の知の体系」とでも呼べる新しい知の体系を創造するための具体的な方法論を提示することが期待できます。
安田 二朗
科学警察研究所法科学第一部 室長
生物剤を用いた犯罪・テロが国民の安全・安心を脅かす大きな脅威となっていますが、そのような事案が発生した際には、迅速な検知・同定・情報伝達が被害の最小化に最も重要です。本研究では現場で生物剤の存在が疑われる試料を携行型の機器にアプライするだけで、その場で多項目の生物剤についてその存否を迅速に検知・同定かつ情報通信できる世界に先駆けた先進的統合センシングシステムの開発を目指します。
【平成18年度採択】
伊藤 寿浩
産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センター 副センター長
動物の健康状態をモニタする無線センサ端末と、動物集団の健康管理を行うアニマルウォッチセンサネットを開発します。特に、パンデミック対策として、鳥インフルエンザ発生の早期発見システムへの応用に主眼をおいた小型・軽量・フレキシブル・メンテナンスフリーなセンサ端末を、超低消費電力MEMSセンサとフィルムシステム実装技術により実現することで、人への感染防止等、人類の健康確保と食の安全・安心の確保に資することを目的とします。
徐 超男
産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 応力発光技術チーム 研究チーム長
力学的エネルギーをダイレクトに光エネルギーに変換し、その微粒子一つ一つがセンサ素子として機能する応力発光体によって、ごく微細な異常を広範囲にわたって検出可能なセンサデバイスを開発します。このデバイスを基に、トンネルなどの構造物に対するリアルタイム応力異常検出・応力履歴記録システムを開発し、システムを結ぶネットワークを経て危険兆候を包括的に早期検知する安全管理システムを創出します。
実世界検索に向けたネットワークセンシング基盤ソフトウェア OSOITE
戸辺 義人
東京電機大学未来科学部情報メディア学科 教授
本研究では、携帯型端末を有したユーザに対して、平常時および非常時の両面で「実世界検索」オーバーレイセンサネットワークにより都市生活における安全・安心な行動支援を提供することを狙います。具体的には実時間センシング情報を含んだ複数の異種類のデータベースに対する情報検索を可能にし、検索時に高次処理により有意情報を抽出し、ユーザにバックエンド支援警報、安心ナビゲーションを提供します。
藤野 陽三
東京大学大学院工学系研究科 教授
道路、鉄道、建物群など、線・点群から構成される都市基盤構造物における災害や事故の防止による安全・安心の実現に向け、実用性の高い統合センシングシステムを開発します。本研究は、「構造物・広域環境センシング技術」「ネットワークフュージョン技術」「ハザード・脆弱性の統合的評価によるリスク監視・マネジメント技術」の3つから構成され、2つのフィールド(東大キャンパス、高速鉄道)において有効性を実証的に示します。
多種類の危険・有害ガスに対する携帯型高感度ガスセンサシステム
山中 一司
東北大学未来科学技術共同研究センター 教授
安全のための重点課題として、多くの種類の危険・有害ガスを高感度で迅速に検知する技術が求められています。本研究では、球の弾性表面波(SAW)が平行ビームを形成して多重周回する現象を用いて吸着分子による特性の変化を高精度に計測するボールSAWセンサを高度化し、MEMSによるガス分離カラムと組み合わせて環境中の多種類のガスを検知し、センサネットワークに発信する携帯型の高感度センサを開発します。
【平成19年度採択】
東野 輝夫
大阪大学大学院情報科学研究科 教授
本研究では、地震や列車事故など短時間に多数の傷病者が発生する事故現場において、生体情報センサを介して傷病者の情報を迅速に収集すると共に、 無線アドホックネットワークを用いて傷病者の位置や病状変化をリアルタイムで監視・収集し、救命活動を行う関係者にその情報を図的に提示する救命救急医療支援システムを構築します。 これにより、救命救急の効率化とトリアージの高度化を実現します。
脳に安全な情報環境をつくるウェアラブル基幹脳機能統合センシングシステム
本田 学
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所疾病研究第七部 部長
情報環境と脳との不適合によって発生する特異なストレスは、生命活動を制御する 基幹脳の機能異常を導くことがPETによる計測実験により判明しており、 情動・自律神経系や内分泌・免疫系の不調を介して様々な現代病の原因となります。 本研究では、安全・安心な情報環境の創出に資するために、多チャンネルバイタルセンサからのシグナルを統合することにより、小型軽量で高確度なウェアラブル基幹脳機能センシング技術を創成し、 日常生活空間で簡便に使用できるシステムの実用化を目指します。
パラサイトヒューマンネットによる五感情報通信と環境センシング・行動誘導
前田 太郎
大阪大学大学院情報科学研究科 教授
人間の感覚・運動・生体情報を計測し同時に各種感覚提示による錯覚利用の運動誘導を可能にするウェアラブル技術「パラサイトヒューマン」を用いて、 装着者自身をセンサとアクチュエータを備えた双方向機能ノードとしてネットに接続します。 これにより五感情報通信による協調作業型の行動支援や、少数装着者による群衆の移動誘導など、環境ネット下での安全・安心を実現するためにより直観的で効果的な人間の環境情報の計測と行動支援を実現します。
生体・環境情報処理基盤の開発とメタボリック症候群対策への応用
山田 一郎
東京大学大学院工学系研究科 教授
日常生活における生体・環境情報を手軽に収集し、客観的視点から生活習慣を確認できる生体・環境情報処理基盤を開発します。 ウェアラブルセンサを用い、データを取る・貯める・見るためのソフトウェア、診断アルゴリズムなどの基盤技術を研究開発します。 例として、様々な生体・環境情報とメタボリック症候群の因果関係を理解し、生活習慣の改善を促すことを目指します。 また個人に応じた柔軟な予防・治療に資するヘルスケアサービスを開発し、実証実験により有効性を検証します。