戦略的創造研究推進事業 チーム型研究 CREST

「環境保全のためのナノ構造制御触媒と新材料の創製」

平成19年度 研究終了報告書(平成14,15,16年年度 採択研究課題)

研究終了にあたって

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「環境保全のためのナノ構造制御触媒と新材料の創製」
研究総括 御園生 誠
 5 年余りにわたったCREST「環境保全のためのナノ構造制御触媒と新材料の創成」(環境ナノ触媒)プロジェクトが平成20 年3 月で完了する。参加された研究者の皆様の真摯な努力が、多くの見事な成果を生み、そして、それぞれが次のステップに向けて発展しつつあることを関係者の皆様とともに喜びたいと思う。参加された多くの研究者、助言や励ましを継続的にされたアドバイザーの方々、厄介で難しい事務的・技術的な支援を続けてくださった研究事務所のメンバー、資金援助にとどまらず親身な応援を頂いたJST本部の担当の方々、等々関係された皆様全員に対して深甚な感謝の意を表したい。
 研究総括としても、大変勉強になった5 年間であった。いささかの感慨を覚えながら総括を試みる。何といっても一番の感慨は、研究者個人あるいはグループの研究に対する継続的な熱意と努力が次第に大きな果実へと結びついていく様子を目のあたりにしたことである。本領域は、斬新なナノ構造および新規なナノ構造制御法をベースにして、環境改善に顕著に貢献する化学材料、化学プロセスを開発する、あるいはその可能性の高い要素技術、材料、コンセプト、萌芽的研究を創出することを大目標とした。当初、大目標に対する認識にばらつきがあったが、次第に研究の多様性を互いに受け入れつつも、大目標が共通の認識となっていき、全体としての大きな推進力を実感できるようになった。
 その結果、5 年間で十分に満足のいく成果が得られたと考えている。個々の研究も、大目標への道も、当然終わりはなく、継続発展させるべきものであるし、その結果、素晴らしい成果が生まれてこそ本プロジェクトの意義が確認されるであろう。
 いま、持続可能な21 世紀を支える健全な科学技術が求められている。研究者各位にあっては、本プロジェクトの経験と成果を踏まえて、上記科学技術の不可欠な要素となりうる化学技術を、次世代の新ナノサイエンス、ナノテクノロジーを通じて創出されんことを期待すると同時に心からのエールを送りたい。また、JSTはじめとする研究資金提供機関がこのような流れをさらに加速するよう支援されることを強く望みたい。

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