研究代表者 | 森 敏 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 |
主たる研究参加者 | 西澤 直子 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 |
塩入 孝之 | 名古屋市立大学薬学部 教授(平成8年9月〜11年3月) | |
北原 武 | 東京大学大学院応用生命化学研究科 教授(平成12年4月〜) | |
吉村 悦郎 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授 | |
松本 英明 | 岡山大学資源生物科学研究所 教授(平成8年9月〜10年3月) | |
山本 洋子 | 岡山大学資源生物科学研究所 教授(平成8年9月〜10年3月) | |
我妻 忠雄 | 山形大学農学部 教授 |
1) | メチオニンから出発した生合成経路を明らかにした。 |
2) | 生合成経路に関わる遺伝子を全てをクローニングした。またメチオニンサイクル周辺の鉄欠乏で誘導される酵素の遺伝子をクローニングした。 |
3) | ニコチアナミンアミノ基転移酵素の遺伝子をイネに導入してアルカリ土壌耐性イネを創製した。 |
4) | 酵母の3価鉄還元酵素遺伝子を進化工学的に改変して遺伝子導入した、アルカリ土壌耐性タバコを創製した。これは、他種の3価鉄還元酵素遺伝子を導入して成功した、世界で最初の作物創製の例である。 |
@ | ソバが蓚酸を出してAl耐性であることを見出した。これは1997年のNatureに掲載された。 |
A | シロイズナズナとタバコの遺伝子で、Alによって誘導される遺伝子をクローニングし、これを酵母に遺伝子導入して、Alに対する耐性の遺伝子をクローニングした。 |
@ | 酸性河川に存在するムラサキヒシャクゴケ(Scapania undulata)は、アルミニウムや重金属を細胞外壁に沈着することによってアルミニウム耐性になることを示した。 |
A | また、草津温泉に生息するイデユコゴメ(Cyanidium caldarium)が、200 mMという驚異的な濃度のAlに耐性であることを発見し、その理由を追究して、イデユコゴメがAlを吸収しない機構を有すること、イデユコゴメの細胞内にFe、P、Alを溜め込む特殊な顆粒が存在することを見出した。 |
B | オオムギがAlに極めて弱い理由は、Al処理によってカロース(β-1,3グルカン)が合成されるために基質UDPGが消費され、同じUDPGを基質とするセルロースの合成が押さえられて根の細胞伸長が抑制されるためであることを証明した。 |
@ | 根端細胞原形質膜のAl 結合度の少ないことが、植物のAl耐性の構成的支配因子であることを明らかにした。また、これを決めるのが膜の脂質組成であることを示唆した。 |
A | 各種養分欠乏のうち、リン欠乏条件下でAl耐性が明らかに強くなった。リン欠乏条件では、根内部のフェノール性化合物は培地中でAlイオンと錯体を作り、Al毒性をある程度軽減できることがAl耐性強化の一つの理由であることを明らかにした。 |