- 日時
- 2月11日(水)10:00~16:55
- 開催場所
- オンライン(Zoom Webinar)のみ
- 参加費
- 無料、事前の参加登録をお願いします
- 参加登録
- https://form2.jst.go.jp/s/social-transformation-platform2025
(登録受付期間:2026年2月11日(水)16:00まで)
本研究領域では、行動変容等の社会変革に向けた基盤として、様々なスケール・種類のデータから人や社会を解析する技術、それに基づいたシミュレーションにより政策シナリオ等を導出する技術を、人文・社会科学と自然科学の融合によって共創することを目指します。
今回は、本さきがけ領域の1期生(2022年度採択)の成果報告会となります。皆さまのご参加をお待ちしております。
プログラム
※講演者の氏名をクリックすると「講演者紹介」の該当者のところへ移動します。
- 開会挨拶
10:00~10:10 - 栗原 聡(慶應義塾大学 理工学部管理工学科 教授)
- 10:10~10:35
- 坂地 泰紀(北海道大学 情報科学研究院 准教授)
因果情報を用いた経済ナラティブシミュレーション - 10:35~11:00
- 金 惠璘(東京大学 大学院人文社会系研究科 特任助教)
良い集合的決定の心理・インタラクション基盤の究明 - 11:00~11:25
- 小倉 有紀子(北海道大学 社会科学実験研究センター 特任助教)
共生の条件を探る: 価値観の融和はどこまで可能か?
休憩 11:25~12:40
- 基調講演
12:40~13:20 - 三宅 陽一郎(東京大学生産技術研究所 特任教授)
ディープラーニング、メタバース、エージェント
- 13:20~13:45
- 金本 圭一朗(東北大学 大学院環境科学研究科 准教授)
家庭と都市の持続可能なライフスタイルへの転換に関する研究 - 13:45~14:10
- 牛島 光一(筑波大学 システム情報系 准教授)
反実仮想で測る公的資源配分の依怙贔屓と非効率
休憩 14:10~14:25
- 14:25~14:50
- 小林 哲郎(早稲田大学 政治経済学術院 教授)
民主主義のレジリエンスを高めるための社会変革技術 - 14:50~15:15
- 石川 翔吾(静岡大学 学術院情報学領域 准教授)
Well-being最大化のための個性適応型目標創生 - 15:15~15:40
- 佐藤 翔輔(東北大学 災害科学国際研究所 准教授)
被災者と未災者が共に学ぶデジタル災害空間基盤
休憩 15:40~15:55
- 15:55~16:20
- 善甫 啓一(筑波大学 システム情報系 准教授)
非整数人から成るサービスアクターキメラによる価値共創 - 16:20~16:45
- 山本 江(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
人流を解析・誘導するマルチスケール超群集シミュレーション
- 総評
16:45~16:55 - 栗原 聡(慶應義塾大学 理工学部管理工学科 教授)
基調講演者紹介
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「ディープラーニング、メタバース、エージェント」
三宅 陽一郎(東京大学生産技術研究所 特任教授)
講演概要
3D仮想空間をホームグラウンドとするメタバースにおけるキャラクターの運動は、現実の物理空間でロボットやドローンなどのAIエージェントを動かすための予行演習の意味があります。また現実そっくりのデジタル3D空間をデジタルツイン・メタバースと言います。デジタルツイン・メタバースに物理空間のAIエージェントたちやセンサー群から情報を集約することで、位置ベースの情報空間を構築することができます。ロボットやドローンは現実空間の認識がとても苦手ですが、デジタルツイン・メタバースを利用することで、現実空間を深く理解し、また人減がデジタルツイン・メタバースごしにエージェントたちに命令を与えることで、空間認識を前提としたコミュニケーションを行うことができます。今回はメタバース空間。現実空間を接続する空間AIを中心に、本分野の体系的な知見をご紹介いたします。
経歴
京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程を経て、博士(工学)。2004年よりデジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。東京大学生産技術研究所特任教授、東京藝術大学大学院映像研究科特任教授、立教大学人工知能科学研究科特任教授、九州大学客員教授、東京大学先端科学技術研究センター上級客員研究員、国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会理事、人工知能学会理事・学会誌編集委員長。著書に『人工知能の作り方』『ゲームAI技術入門』『人工知能のための哲学塾』『人工知能が「生命」になるとき』『人工知能のうしろから世界をのぞいてみる』など多数。
講演者紹介
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「因果情報を用いた経済ナラティブシミュレーション」
坂地 泰紀(北海道大学)
講演概要
大きなイベントに伴う経済のレジームチェンジが頻発しており、ただ時系列を解析するだけでは、経済の見通しは全く立たない状況になっています。そこで、ロバート・J・シラー博士が提案しているナラティブ経済学を実証する形で、テキストマイニングとシミュレーションを組み合わせた新たなモデルを構築することで、ナラティブ経済学を実証することで新たな経済分析を可能にします。
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「良い集合的決定の心理・インタラクション基盤の究明」
金 惠璘(東京大学)
講演概要
かつてない速さで変化する社会の中でより良い集合的決定を生みだすにはどのようなシステムを構築すれば良いかを検討し、社会の設計指針を確立することは重要な課題です。本研究は、良い集合的決定を生み出す心理・インタラクション基盤を解明するために、大規模ウェブ実験と生理測定を組み合わせたマルチスケールのデータから人々の認知・行動アルゴリズムを明らかにし、社会的分断を改善できるシステムの構築を目指します。
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「共生の条件を探る: 価値観の融和はどこまで可能か?」
小倉 有紀子(北海道大学)
講演概要
SNSの発展などを背景に、社会における価値観の分断が可視化されるようになりました。一方で人の価値観は固定されたものとは限らず、他者との相互作用を通じて変化する場合があります。人々の価値観の融和はどの程度まで可能で、どこから不可能なのでしょうか。この問いに行動科学・神経科学・情報科学の観点から取り組み、多様な人々が互いに平和に共存できる「共生社会」の実現に貢献することを目指します。
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「家庭と都市の持続可能なライフスタイルへの転換に関する研究」
金本 圭一朗(東北大学)
講演概要
地球環境問題が深刻化する中で、国や企業だけでなく、家庭や都市も変化を迫られています。家庭や都市は、温室効果ガス排出量や大気汚染物質を直接出すだけでなく、消費を通じて、住んでいる場所とは全く異なる場所で環境に対して影響を与えています。本研究は、都市や家庭の消費がサプライチェーンを通じてどの程度環境負荷を排出しているのか、そして、その将来への見通しを定量化します。
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「反実仮想で測る公的資源配分の依怙贔屓と非効率」
牛島 光一(筑波大学)
講演概要
政治的依怙贔屓は非効率な公的資金配分と政治不信を介して、社会に(厚生の)損失をもたらしている可能性があります。本申請プロジェクトは、政治的依怙贔屓がどこで、どの程度起きており、また、これによる厚生損失があるとすればどれくらいか、について調べます。分析は機械学習とオルタナティブデータ(衛星画像)を活用し、ユニークな大規模調査情報の予測値パネルデータを構築することで行います。
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「民主主義のレジリエンスを高めるための社会変革技術」
小林 哲郎(早稲田大学)
講演概要
近年、権威主義に親和的な非民主的ナラティブの浸透にソーシャルメディアが利用されていること、日本人の民主主義に対するコミットメントが弱いことが明らかにされてきました。また、世界的に民主主義が後退し権威主義が台頭する中で、日本においても民主主義のレジリエンスを高める必要があります。本研究は、個人・ネットワーク・社会の3つのレベルにおいて非民主的ナラティブの浸透を防止する社会変革技術の開発を遂行します。
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「Well-being最大化のための個性適応型目標創生」
石川 翔吾(静岡大学)
講演概要
個性情報に基づいて人生をシミュレートする技術を開発することで、健常者を基準としてそこに近づける従来の研究の方法論を脱却し、人それぞれの活力のある生き方をアシストする研究基盤の創出を目指します。認知症ケアの分野において、認知症本人も含めた共同創造の方法論で、医療や介護情報に基づいて個性を構成する要素を包括的にモデル化し、well-beingを最大化するための目標創生技術を開発・実装します。
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「被災者と未災者が共に学ぶデジタル災害空間基盤」
佐藤 翔輔(東北大学)
講演概要
1)デジタル空間災害における語り部の被災体験および周辺現象の再現として、それらの統合、没入感の評価実験を行います。2)語り部と異なる行動を体験できるシミュレーション機能を実装するために、歩行デバイスによる実装、行動シミュレーション機能の妥当性・有効性の検証を行います。3)学び・気づきによる集合知の共有システムを実装するために、未災者による疑似体験の蓄積と解析、疑似体験を行った未災者の行動変容観察を行います。
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「非整数人から成るサービスアクターキメラによる価値共創」
善甫 啓一(筑波大学)
講演概要
VR体験をメタ構造として捉えて、サービス生産能力ですらアセット化した社会のVRシミュレーションを行い、最適なサービスデザインを探索を目指します。特に、リモート技術の発展で実現される、サービスの生産者(サービスアクター)の部分的融合によって成るアクターキメラの活用を想定しています。アクターキメラ技術やその主体感がサービス生産性に与える影響を明らかにし、経済最適な価値共創行動のデザイン方法を確立します。
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「人流を解析・誘導するマルチスケール超群集シミュレーション」
山本 江(東京大学)
講演概要
イベント時の過度な混雑に伴う群集事故防止や緊急避難時の効果的な誘導を行うことを目的として、駅や交差点等の公共空間における数百~数千人規模の超群集シミュレーションモデルを開発しました。特に、そのパラメータ同定による混雑度の評価、及び群集を誘導するための基盤技術について研究した成果について報告します。

