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公募情報

平成19年度「キーテクノロジー研究開発の推進」に関する研究開発課題等の募集について

2007年4月12日公募締め切りました。
公募期間: 2007年3月16日(金)〜2007年4月12日(木)
公募分野: 次世代IT基盤構築のための研究開発

 「次世代IT基盤構築のための研究開発」は、平成17年度より、我が国のスーパーコンピューティング技術がペタフロップス超級を目指して、世界最高水準で発展し続けるとともに、「いつでも、どこでも」「安全、安心」かつ「快適」なユビキタス社会を世界に先がけて実現するための基盤技術の確立を目指して、「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」、「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」及び「安全なユビキタス社会を支える基盤技術の研究開発」の3領域について、研究開発を推進しています。
 今回新たに、以下の3つの研究領域に関して、文部科学省の委託事業として公募が開始されました。
① 高機能・超低消費電力コンピューティングのためのデバイス・システム基盤技術の研究開発
② 革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフトウェアの開発
② ソフトウェア構築状況の可視化技術の開発普及

 各研究領域の概要は、以下の通りです。
 公募の対象は、国内の産学官の研究開発機関・組織です。国立試験研究機関(一般会計の機関)、研究者個人は対象となりません。
 公募内容の詳細、公募要領等はこちらをご覧下さい。

研究開発領域①:高機能・超低消費電力コンピューティングのためのデバイス・システム基盤技術の研究開発
 情報通信ネットワークが既に社会インフラとして定着する中、誰もがいつでもどこでも最先端のITの恩恵を受けられるためには、高機能かつ低消費電力なPC(モバイル情報端末、サーバ等含む)の実現が不可欠です。
 しかしながら、従来のハードウェア技術の延長では高機能化と低消費電力化の両立に限界が到来すると言われております。このため、今後ますます拡大・多様化していく大量情報処理時代のニーズに対応する利便性の高いPCを実現するには、情報通信機器におけるコンピューティングの中核をなす演算(CPU)、主記憶(メモリ)、補助記憶(ストレージ)のデバイス機能の高機能化と超低消費電力化を図る必要があります。これを実現するため、本領域では、近年急速に研究開発が進展し、かつ我が国が世界的にも先導しているスピン(磁気)の不揮発性・高速性・安定性を利用した次世代コンピューティングデバイスを軸に、以下の二つの研究開発を一体的に実施してハードウェア技術の壁を打破する基盤技術を確立します。
(1)速度・消費電力の限界を打破する、超高速で低消費電力のスピンデバイス・回路(ロジックインメモリ等)の基盤技術
(2)ストレージの高速化と大容量化の壁を打破する高速大容量ストレージシステムの基盤技術

研究開発領域②:革新的実行原理に基づく超高性能データベース基盤ソフトウェアの開発
 情報爆発時代を迎え、人類が生み出す情報量は指数関数的(毎年約2倍)に増大しており、2003年には32エクサバイト(エクサ:10の18乗、ギガの10億倍)の情報が生成されていると推定されています。これらの膨大な情報を活用するためには、従前に比べ著しく巨大なデータを高速に処理することが不可欠であり、データベースシステムの性能を飛躍的に向上させることが求められています。
 しかしながら、既存データベース基盤技術の延長線では、情報爆発時代の超巨大データ活用に限界が到来することは必至であり、さらには、現在産業界等で主に行われている手法であるプロセッサやディスクドライブなどのハードウェア技術による高性能化のみではデータベースシステムの性能を飛躍的に向上させることは困難であることから、革新的なソフトウェア技術の創出によって性能ブレークスルーを達成することが求められます。よって、本研究開発領域では、データベース実行原理の革新により、飛躍的な性能向上を達成する超高性能データベース基盤ソフトウェアの研究開発を行います。

研究開発領域③:ソフトウェア構築状況の可視化技術の開発普及
 大規模・複雑化するソフトウェアが高度情報通信ネットワーク社会のインフラとして不可欠なものとなっている一方で、その不具合が顕在化した場合には、銀行や証券取引所等の例のように、社会に大きな混乱を引き起こす可能性があります。これは、ソフトウェアが適正な手順できちんと構築された安全なものか否かを、コンピュータシステムの発注者が知ることが極めて困難であることに起因します。
 このため、ソフトウェアの設計やプログラミング、テスト等構築状況を詳細に記録し、必要に応じて個々の状況を再現することにより構築手順が適正であることを把握可能にする技術を世界に先駆けて開発し、普及させることを目指します。

 科学技術振興機構 キーテクノロジー研究開発業務室
 担当:青山政夫、橋本久雄
  TEL:03-5214-7990(直通)