Applications 課題情報

領域 【領域横断・サイバー空間・バイオ】

研究開発構想(個別研究型)新しいウィンドウで開きます

脳波等を活用した高精度ブレインテックに関する先端技術

プログラム・オフィサー(PO:伊佐 正(京都大学 大学院医学研究科 教授/自然科学研究機構 生理学研究所 所長)


 【 公募枠:(1)計測技術・素材開発 】   
研究開発課題名 経頭蓋バイアス磁界を用いた高精度全頭型非侵襲脳機能計測技術の開発(仮称)
研究代表者 樋脇 治
研究代表機関・役職 広島市立大学 大学院情報科学研究科 教授
研究開発概要 本研究開発では、独自に開発した磁界バイアス式脳機能計測技術を用いて、高時間分解能かつ高空間分解能を持つ全頭型非侵襲脳機能計測システムの実現を目標とします。そのために、磁界バイアスコイルと磁気センサーを組み合わせたモジュールを全頭の頭皮上に高密度で配置した脳機能計測システムを開発します。このことにより、従来の侵襲および非侵襲の脳機能計測手法をしのぐ革新技術を創出し、非侵襲高精度リアルタイムブレインコンピューターインターフェースを実現する基盤技術を確立します。
研究開発課題名 発汗に伴う不快感が波形に重畳しない脳波計測のための導電性ハイドロゲル電極の開発(仮称)
研究代表者 梅津 信二郎
研究代表機関・役職 早稲田大学 理工学術院 教授
研究開発概要 本研究開発では、マルチマテリアル3Dプリンターを用いて、マイクロ流路を内包する導電性ハイドロゲルと金属で構成された電極を開発します。脳波計測が長時間に及ぶと、感覚がないまま皮膚や呼気から蒸発する水分や汗が皮膚と電極の間にたまり、雑菌が繁殖し、かゆみなどの不快感を引き起こします。このような不快感は、計測される脳波に影響を与える可能性があります。そのため、汗が電極部にとどまらない構造を持ち、外力に耐えられる強度を持つ電極の開発が求められています。本研究では、長時間の高感度な脳波計測を実現することを目指します。
 【 公募枠:(2)心身状態を把握するシステム開発・検証 】 
研究開発課題名 大規模臨床脳波データベースと多次元脳波データによる心身状態把握システムの開発(仮称)
研究代表者 多田 真理子
研究代表機関・役職 順天堂大学 大学院医学研究科 准教授
研究開発概要 本研究開発では、国内外で最大規模の精神疾患・心身不調の脳波データベースと、心理・行動データがひも付いた多次元脳波データを加えた統合データベースを構築し、ビッグデータを活用した多次元データ解析手法と、個人に最適化された脳波評価システムを開発します。得られた脳波特徴の神経基盤を霊長類モデルで検証し、小型脳波計によるリアルワールド・リアルタイム脳波データの収集、解析から、ニューロフィードバックなどの社会実装に貢献し得る心身状態の把握システムを開発します。
研究開発課題名 ウェアラブル在宅脳波計を用いた認知症患者およびその予備軍における意識・認知変動の定量化法の研究開発(仮称)
研究代表者 松本 理器
研究代表機関・役職 京都大学 大学院医学研究科 教授
研究開発概要 本研究開発では、意識・認知症状が変動し幻視を来すレビー小体型認知症を中心に、ウェアラブル在宅脳波計を開発し、リアルタイムに認知機能を評価することで、変動する認知症病態の解明を目指します。さらに、ウェアラブル在宅脳波計で計測した健常高齢者および認知症患者の覚醒から睡眠までの連続脳波に、臨床情報・神経心理検査・高精度MRI・分子イメージングをひも付けたデータベースを構築し、高精度ブレインテックから意識・認知変動と脳律動ダイナミクスの関係解明と認知変動の判別・予測の技術開発を進め、「良い意識・認知状態を維持する」治療の礎を築きます。
研究開発課題名 アミロイド病理を脳波から早期診断するAIの研究開発(仮称)
研究代表者 貴島 晴彦
研究代表機関・役職 大阪大学 大学院医学系研究科 教授
研究開発概要 てんかん患者は高率に認知症を合併し、逆に認知症患者のてんかん合併率も高いことが知られています。本研究では、特にてんかん合併率が高いアルツハイマー型認知症およびてんかん患者のアミロイド病理と脳波とをひも付けたマルチモーダルコホートを作成し、認知症とてんかんに共通あるいは相反する病理学的背景を明らかにするとともに、安静時脳波からアミロイド病理を予測するAIの開発を目指します。
研究開発課題名 3Dデジタルツインを用いたてんかん患者の長期脳波モニタリングシステム(3D-EEG)の開発(仮称)
研究代表者 中江 健
研究代表機関・役職 福井大学 学術研究院工学系部門 准教授
研究開発概要 本研究開発では、てんかん診断の従来のVEEG手法を拡張し、3Dデジタルツイン技術を活用した新システム(3D-EEG)を開発します。病室と患者の3Dモデル化により、脳波や身体動作に加え、視覚・触覚・聴覚などの感覚情報を包括的に計測・解析します。これにより、感覚刺激を考慮した高精度な発作予測モデルの構築が可能となります。また、患者データの匿名化のためアバター技術を導入し、臨床データの共有を実現します。
 【 公募枠:(3)計測技術・素材開発および心身状態を把握するシステム開発・検証 】 
研究開発課題名 第2世代脳磁場計測とてんかんネットワーク動力学解明に基づく次世代治療支援技術の開発(仮称)
研究代表者 栁澤 琢史
研究代表機関・役職 大阪大学 大学院医学系研究科 教授
研究開発概要 本研究開発では光ポンピングマグネトメータ(Optical Pumping Magnetometer、OPM)を用いた第2世代脳磁場計測の臨床用計測環境を構築し、てんかん脳活動を脳ネットワーク動力学の観点から再定義・モデル化し、これらの技術を組み合わせた次世代治療支援技術の創出を目指します。
研究開発課題名 うつや不安に伴う特定症状(反芻、強迫観念等)に対する脳波ニューロフィードバック技術の開発(仮称)
研究代表者 牛場 潤一
研究代表機関・役職 慶應義塾大学 理工学部 教授
研究開発概要 本研究開発では、ヘッドフォン型ワイヤレス脳波計とタブレット端末上の脳状態分析アプリを開発し、反芻(はんすう)思考や強迫観念固有の脳状態指標を実時間算出してアプリ上にグラフ表示し、患者とセラピストが脳の状態を定量的、客観的に共有して治療に向き合える技術を開発します。また可視化された脳状態指標をユーザーが自己調節訓練して症状緩和につなげられる「ニューロフィードバック訓練」を開発します。
研究開発課題名 ブレイン-ボディテックを実現する末梢計測デバイスと信号解析技術の開発(仮称)
研究代表者 佐々木 拓哉
研究代表機関・役職 東北大学 大学院薬学研究科 教授
研究開発概要 本研究開発では、末梢(まっしょう)神経、胃腸、表情筋などの末梢マルチモーダル信号を高精度に検出するために、体表上から多点電位計測が可能な電極アレイデバイスを開発します。また、超低周波成分を含む新しい脳波信号処理や機械学習モデル、末梢信号特有の時間特性や特徴量を考慮した信号処理法を探索的に確立し、これらを統合した解析モジュールを構築します。

※研究開発課題名は調整により変更になることがあります。

分科会委員(アドバイザー)

氏名 所属・役職
天野 薫 東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授
今水 寛 東京大学 大学院人文社会系研究科 教授
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学 副学長
瀧 靖之 東北大学 加齢医学研究所 教授
銅谷 賢治 沖縄科学技術大学院大学 神経計算ユニット 教授
中澤 栄輔 東京大学 大学院医学系研究科 教授
西田 眞也 京都大学 大学院情報学研究科 教授
萩田 紀博 大阪芸術大学 芸術学部アートサイエンス学科 学科長
山岸 典子 立命館大学 グローバル教養学部 教授

採択に関するお問い合わせ

国立研究開発法人科学技術振興機構 先端重要技術育成推進部
公募担当 E-mail: k-programatjst.go.jp