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領域 【領域横断・サイバー空間・バイオ】

研究開発構想(個別研究型)新しいウィンドウで開きます

宇宙線ミュオンを用いた革新的測位・構造物イメージング等応用技術

プログラム・オフィサー(PO):中野 貴志(大阪大学核物理研究センター センター長)

研究開発課題名 時刻と二次元位置を同時に測定する高抵抗板検出器の開発(仮称)
研究代表者 石川 貴嗣
研究代表機関・役職 大阪大学 核物理研究センター 教授
研究開発概要 時刻と二次元位置が高精度に測定できる高抵抗板を使ったガス増幅検出器(MRPC)を開発し、ミュオンのエネルギーに感度を持ったイメージング検出器の開発を行います。専ら高精度な時刻測定に用いられていた素粒子原子核実験の高抵抗板検出器MRPCに二次元位置を読み出す機能を付加し、火山内部の透視を行うための宇宙線ミュオン検出システムを構築できるようにします。火山観測で有効に使えるように、開発するMRPCは、1m×1m程度の大型、かつガス置換が不要の可搬性を持ったものとします。
研究開発課題名 ミュオン特性X線を用いた元素分布の可視化技術の開発(仮称)
研究代表者 梅垣 いづみ
研究代表機関・役職 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 助教
研究開発概要 「ミュオン特性X線を用いた元素分布の可視化技術の実現と、その応用に関わる検出器などの要素技術開発およびデータ処理技術の高度化」を目的とします。軟X線から硬X線帯域の多チャンネルの半導体イメージャーの要素技術は日本独自の技術であり、それをさらに発展させ、大型施設加速器で展開してきた、ミュオン特性X線を用いた元素分布の可視化技術を底上げ、構図物イメージングにつながる技術開発を行います。
研究開発課題名 仮想測位基準点を構築する即時分散データ処理技術(仮称)
研究代表者 大田 晋輔
研究代表機関・役職 大阪大学 核物理研究センター 准教授
研究開発概要 海底、地下や建物内など衛星測位システムや有線による時刻同期が活用できない環境・状況下においても宇宙線シャワー面を用いてシステム内を10nsで時刻同期し、1m以下での測位が可能な仮想測位基準点の構築を目指した、新しい即時分散データ処理技術を開発します。この技術では50psの有線時刻同期を広域に渡って実現し、宇宙線シャワー面を同定・配信することで測位対象地点が使用できる基準点を仮想的に100倍程度にまで増加させます。
研究開発課題名 運動量測定による汎用高分解能ミュオンラジオグラフィシステムの開発(仮称)
研究代表者 角野 秀一
研究代表機関・役職 東京都立大学 大学院理学研究科 教授
研究開発概要 宇宙線ミュオンの運動量測定が可能で、かつコンパクトな、ミュオンラジオグラフィシステムの開発を行います。プラスチックシンチレータ、およびその読み出し回路、永久磁石などの構成要素からなるシステムを構築し、ポータブル電源でも運用可能な低消費電力のシステムを目指します。永久磁石などの各構成要素はモジュール化することにより、分割しての運搬および現地での組み立てが可能なシステムとします。誰でも容易に利用できるようにシステムを作り込み、ソフトウェアとハードウェアをパッケージとして一般に提供することを最終目標とします。
研究開発課題名 超伝導転移端マイクロカロリメータを用いた宇宙線ミュオンによる超高分解能元素分析(仮称)
研究代表者 河村 成肇
研究代表機関・役職 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 特別准教授
研究開発概要 超伝導転移端マイクロカロリメータ(TES)を用いて、宇宙線ミュオンを用いた元素分析を実現します。TESは従来の半導体X線検出器と比べて30倍以上の超高分解能を有し、宇宙線ミュオン由来の特性X線を、自然放射能などからのバックグラウンドに埋もれることなく、観測を可能にします。装置のポータブル化により場所を選ばずに、あらゆる元素を対象とした汎用非破壊分析法・イメージング法の開拓を目指します。
研究開発課題名 小型で人工的に高強度のミュオンを生成するコア技術の開発(仮称)
研究代表者 下村 浩一郎
研究代表機関・役職 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 教授
研究開発概要 ミュオンの物質透過能力の高さを活かし、インフラ構造物やコンテナなどの内部を非破壊で透視するイメージング技術の革新的な発展に向け、人工的に高強度のミュオンを生成する小型システムのコア技術を開発します。小型で人工的に高強度のミュオンを生成するためには、ミュオンを一旦減速し加速する技術(再加速技術)と小型ミュオン発生加速器がコア技術として必要であり、これらを確立します。
研究開発課題名 Glass GEMによる革新的高分解能ミュオンイメージング検出器の研究開発(仮称)
研究代表者 高橋 浩之
研究代表機関・役職 東京大学 大学院工学系研究科 教授
研究開発概要 日本発の気体放射線イメージング技術であるGlass GEM検出器をミュオン測位技術に応用して、現在熊本県で建設が進められている先端半導体技術を用いた多チャネル の専用集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)による信号読み出しと組み合わせ、高分解能測定システムを開発することで高分解能ミュオンイメージングを実現します。これによりセンチメートルオーダー分解能の高分解能・高効率のミュオン位置測定システムの構築を低コストで実現します。
研究開発課題名 可搬型広角ミュオン4元運動量計測装置と高運動量ミュオン源の開発(仮称)
研究代表者 野海 博之
研究代表機関・役職 大阪大学 核物理研究センター 教授
研究開発概要 リングイメージングチェレンコフ検出器(RICH)を利用した新しい可搬型のミュオン測定装置(μRICH)を開発します。μRICHは、高エネルギーミュオンの運動量を10~20%の精度で測定し、同時にミュオンの飛来方向を±25度の広い角度領域にわたり測定できる比較的コンパクトかつ軽量可搬な検出器です。加えて、世界的に稀有かつ日本では唯一となる高エネルギーミュオンビームラインを整備します。
研究開発課題名 宇宙線ミュオン構造物イメージングのための原子核乾板の要素技術開発(仮称)
研究代表者 森島 邦博
研究代表機関・役職 名古屋大学 大学院理学研究科 准教授
研究開発概要 名古屋大学の独自技術であり唯一無二の特徴を持つ「原子核乾板」による宇宙線ミュオン構造物イメージングの高度化を進めます。具体的には、多様な観測環境での耐性強化のために新型原子核乾板および新型自動飛跡読取装置の開発を進め、可視化対象ごとに最適な検出器の設計法を開発します。また、検出器の製造から設置・回収、現像、解析に至る人的介在を必要とする各種工程の省力化・迅速化・高精度化を図ります。

※研究開発課題名は調整により変更になることがあります。

分科会委員(アドバイザー)

氏名 所属・役職
大竹 淑恵 理化学研究所 光量子工学研究センター チームリーダー
杉山 純 総合科学研究機構 中性子科学センター サイエンス・コーディネータ
高橋 忠幸 東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 特任教授
東城 順治 九州大学 大学院理学研究院 教授
三宅 康博 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 研究員/名誉教授
吉村 浩司 岡山大学 異分野基礎科学研究所 教授

採択に関するお問い合わせ

国立研究開発法人科学技術振興機構 先端重要技術育成推進部
公募担当 E-mail: k-programatjst.go.jp