博士後期課程学生支援について

博士後期課程学生支援の概況等

我が国の博士後期課程学生支援の概況と目標

 近年、「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」「博士課程修了後の就職が心配である」等の理由により、修士課程から博士後期課程等への進学者数及び進学率がいずれも減少傾向にあるなど、危機的な状況が指摘されています。 そのため、①我が国の科学技術・イノベーションの将来を担う優秀な志ある博士後期課程学生への経済的支援を強化し、②博士人材が幅広く活躍するための多様なキャリアパスの整備を進めることが急務となっております。

※本データは、博士後期課程以外(他大学の修士課程等)への進学者も含む。
出典:学校基本調査(文部科学省)

 博士後期課程在学者数約75,000人に対して、修士課程からの進学者は約30,000人で、既に年額180万円以上の公費等の支援を受給している学生はうち約7,500人です(主な支援:特別研究員(DC))。令和4年度は、大学フェローシップ創設事業(以下、フェローシップ)、次世代研究者挑戦的研究プログラム(以下、SPRING)等の新たな支援により、約8,800人を支援することで、合計約16,000人を支援しています。

 博士後期課程学生への経済的支援については、「第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)」において、「2025年度までに、生活費相当額を受給する博士後期課程学生を従来の3倍に増加(=約22,500人)(※)」するとされました。国による博士課程学生への経済的支援の概要は「博士後期課程学生の経済的支援」のとおりです。

※1 第6期科学技術・イノベーション基本計画における「生活費相当額」は年間180万円以上とされている。
※2 生活費相当額を受給する博士後期課程学生が従来の3倍に増加することは、修士課程からの進学者数の約7割、社会人学生を含む博士後期課程学生全体の約3割が受給することに相当。

出典:学校基本調査(文部科学省)、令和元年度文部科学省委託調査「博士課程学生の経済的支援状況に係る調査研究」(令和2年3月)をもとに文部科学省作成

博士後期課程学生の女性比率について

 博士後期課程学生の女性比率は全体的に増加傾向で、令和3年度は34.1%でした。なお、SPRING選抜学生の女性比率は31.6%で、統計よりやや低い結果となっております。(令和3年度実績)

出典:文部科学省「学校基本調査」を基に作成。