JST技術移転事業50周年≪技術移転の半世紀と「これから」≫

　大学などの研究成果を企業へと橋渡しするJSTの「技術移転」事業が、今年で50周年を迎えました。去る11月4日には50周年記念シンポジウムを開催し、産業界、大学関係者を中心に多数の皆様にご参加を賜りました。成果展示では、古くは昭和30年代から新しいものでは平成16年度まで、委託開発の成果をご紹介いたしました。JSTは今後も産業界と連携しながら大学等における研究成果の社会還元の支援を推進してまいります。

TOPICS

「委託開発」の成果が発表されました
平成12年度採択課題「酸素18安定同位体標識水の製造技術」の開発成果が紹介されました。

委託制度で世界1/4シェアの製品開発
大陽日酸株式会社　執行役員
有賀　敬記氏

PET（ポジトロン断層撮影法）診断薬FDGの原料となる「高純度¹⁸O標識水（商品名 Water-¹⁸O）」を、東工大名誉教授の浅野先生のアイディアをもとに実用化開発した。平成16年8月に成功認定を受け製品販売を開始し、以後順調に伸びて、今では世界市場の4分の1、国内だと80％のシェアを獲得している。

50周年シンポジウム発表資料

当日資料（pdf:616KB）

「JST News」10月号　増本　健が語る「技術移転」の50年
実用材料をつくる!
アモルファス金属を中心に、この事業に深くかかわってきた先駆者の言葉から、技術移転の意義を改めてかみしめたい。
増本　健　氏　；　（財）電気磁気材料研究所所長、東北大学名誉教授。アモルファス金属研究の第一人者。JSTの技術移転事業には1970年代から関わり、数々の委託課題を成功させた。

技術移転事業50周年データアーカイブズ
『JST技術移転事業50年史』

【目次】
はじめに（独立行政法人　科学技術振興機構　理事長　北澤宏一）
技術移転事業50周年に寄せて（文部科学大臣　塩谷　立）
1．技術移転事業50年のあゆみ
2．座談会（1）「技術移転」にJSTが果たしてきた役割
3． JSTの技術移転事業と実績
4．〈寄稿〉技術移転事業50周年への回顧と今後の期待
5．座談会（2）我が国の「技術移転」今後の展望
JST技術移転事業　年表
JST産学連携・技術移転事業の変遷イメージ

『JST技術移転事業50年史データ編』

課題一覧、応募課題、採択数　ほか

昭和30年代から平成にかけて「委託開発」から生まれた製品の数々
この50年における我が国の技術移転の歴史の代表的な新技術開発の数々をご覧ください。

※技術内容のリンク先はPDF

ファイルです。

技術内容	採択年度	研究者	開発・実施企業	成果物展示
人工水晶の製造	昭和34年度	国富　稔・滝　貞男（山梨大学）	エプソントヨコム株式会社（当時：東洋通信機株式会社）
高輝度赤色ＬＥＤ	昭和47年度	西澤　潤一・須藤　建（東北大学）	スタンレー電気株式会社
電磁材料用アモルファス金属の製造およびその応用技術	昭和52年度	増本　健（東北大学）	日立金属株式会社株式会社日立製作所
天然型インターフェロンβ製剤「フエロン」の開発	昭和55年度	三宅　昭久（東レ株式会社）他	東レ株式会社
ＧａＮ青色発光ダイオード（青色LED）の製造技術	昭和61年度	赤﨑　勇（名古屋大学）他	豊田合成株式会社
高配向性グラファイト (Highly Oriented Graphite)	平成2年度	吉村進（JST-ERATO・緒方ファインポリマープロジェクト）他	パナソニック株式会社・パナソニックプロダクションテクノロジー株式会社（成果実施）・パナソニックエレクトロデバイス株式会社
酸化物超電導材料（Ｂｉ系超電導線）の製造技術	平成2年度	笛木　和雄・北澤　宏一（東京大学）、前田　弘（科学技術庁金属材料技術研究所）	住友電気工業株式会社
PET診断薬原料となる¹⁸O標識水の量産化プラント開発に成功	平成12年度	浅野　康一（東京工業大学）	大陽日酸株式会社
アトピー性皮膚炎に伴うかゆみを鎮静化させる機能性繊維	平成13年度	白井　汪芳・小宮山　淳（信州大学）　他	ダイワボウノイ株式会社

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