課題名 | 日本側 研究代表者 |
所属・役職 | 課題概要 | |
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台湾側 研究代表者 |
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1 | バイオアプリケーションに向けた低磁場MRI技術および磁気微粒子イメージング技術の開発 |
田中 三郎 |
豊橋技術科学大学 |
ナノ磁気微粒子は造影剤やドラッグデリバリに使用されており、それらのイメージング技術は極めて重要である。本研究は最新のセンサ技術を応用した超低磁場MRI(核磁気共鳴像)技術とMPI(Magnetic Particle Imaging)技術を組み合わせて、高感度でナノ磁気微粒子のイメージングを行うことを目的とする。 具体的には主に日本側はシステム構築よびアルゴリズム開発を行い、台湾側はFe3O4等、ナノ磁気微粒子の合成を得意としているのでこれを担当すると共にシステム構築を行う。アルゴリズムは日本側より適宜供与し、データの比較検討を行う。 双方の研究チームが相互補完的に取り組むことで動物やヒト体内のナノ磁気微粒子の手術中の簡易イメージングが可能となり、高齢化社会でのQOL(Quality of Life: 生活の質)の向上に寄与することが期待される。 |
Horng Herng-Er |
台湾師範大学 |
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2 | フッ素添加スズ酸化物の特異ナノ表面構造と心臓疾患検出マーカー固定化によるバイオセンサーの構築 |
松下 伸広 |
東京工業大学 |
本研究はフッ素ドープスズ酸化物(FTO)電上でのナノ構造制御とその上に固定した心筋梗塞のバイオマーカーを高感度と高い選択性で検出可能にするバイオセンサの構築を目的としている。 具体的には、台湾チーム(清華大)がセンサに用いる特殊なナノ構造の制御と作製を担当し、日本チーム(東工大)がそれらの表面への生体分子の固定とセンサ性能の評価を担当する。平成24年度(H25年1〜3月)は、まず日台双方の本研究全般における役割分担、お互いのポスドク・大学院学生らのインターンシップ派遣の時期等を検討するキックオフを開催し、続いて台湾チームはフッ素ドープ酸化スズ基板上でのナノ構造形成条件の確認、日本側は生体分子の固定化条件の予備実験を進める。 日台双方のチームが交流を通じて相互的に取り組むことで、心筋梗塞の早期診断へと繋がるセンサ開発により社会的・経済的な貢献に加えて、国際的な共同研究の推進を通して若手人材の育成も期待できる。 |
Lu Shih-Yuan |
国立清華大学 |
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3 | 神経細胞の培養と評価用CMOS-MEMS |
藤田 博之 |
東京大学 |
本研究は、神経細胞の情報処理機構を解明するため、神経細胞の高効率かつ高精細の時空間的操作を可能とするバイオエレクトロニクス・プラットフォームの構築を目的とする。 具体的には、日本側はマイクロ流体システムの作製を行い、台湾側はCMOS回路の作製を行う。双方の技術を融合し、バイオ機能評価をすることでプラットフォームを構築する。 本研究では日本側と台湾側が交流を通じて相互的に取り組むことで、脳神経系の情報処理方法について、神経細胞の活動モデルに基づく深い理解が得られることが期待される。 |
Yeh J. Andrew |
国立清華大学 |
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4 | 新しい多電極法を用いた海馬の神経回路に対する神経ステロイドの作用の解析 |
川戸 佳 |
東京大学 |
本研究はバイオエレクトロニクス手法を用いて、脳で合成する神経ステロイドホルモンが、記憶中枢の海馬の神経回路の可塑性をモジュレーとする機構を、多電極計測法で解析することを目的とする。 具体的には、台湾側は海馬選択的なシトクロムP450scc のknockout マウスを作成して提供し、日本側は提供されたknockoutマウス、及びラットを用いて、海馬でP450sccが合成する神経ステロイドによるLTPの増強作用を、多電極計測で解析する。 双方の研究チームが相互補完的に取り組むことで、世界的に普及しているホルモン補充療法というアルツハイマー病の治療法の改善につながることが期待される。 |
Chung Bon-chu |
中央研究院 |