モバイル機器やクラウドコンピューティングの普及により、ICT (情報通信技術)が日常生活を大きく変える時代になりました。また、最近ではビッグデータやIoT(Internet of Things)、AI (人工知能)も大きく進展し、デジタル情報量はさらに増大の一途を辿っています。したがって、「それに伴い増大する情報機器の消費電力を如何に減らすか」は、重要な社会的課題の一つになって来ているものと言えます。

そこで本ImPACT 佐橋プログラムでは、電圧で磁気メモリに情報を記録する究極の低消費電力不揮発性メモリの開発と革新的スピントロニクスとロジックインメモリ設計を駆使した超省電力スピントロニクス論理集積回路の実現を目指し、特に消費電力の問題が深刻であるエッジ側において社会的課題を解決する基盤技術の構築に挑んでいます。具体的には、SRAM 等揮発性メモリを不揮発性の磁気メモリ(MRAM)に置き換える非連続イノベーションに挑み、メンテナンスフリーのIoT センサネットワークや無充電で長時間使用可能なモバイル機器の実現を目指しています。この技術革新はAI/ディープラーニングや全自動運転へと波及し、DRAM やストレージクラスメモリ(SCM)がMRAM で実現される等スピードギャップを埋める形でメモリ階層の変革をもたらし、各機器や現場が分散型で知能を持つ超低消費電力エッジデバイスやAI エッジコンピューティングの実現など、産業や社会を大きく変革し、安全・安心かつ利便性・生産性の高い「高度知的エコ社会を実現」することが期待されます。
最後の公開成果報告会となる本報告会では、最終年度の総括として未来を開拓し、ゲームチェンジとなるImPACT佐橋プログラムの研究開発成果を皆様にお示しする所存です。
奮ってのご参加をお待ち申し上げております。