2019年3月5日、東京大学小柴ホールにおいて最終成果報告会-人工細胞リアクタが拓くイノベーション-を開催しました。この公開シンポジウムには、招待講演の上田卓也先生(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)、ImPACT野地プログラムの研究開発責任者をはじめ、計150名の方に足をお運びいただきました。シンポジウムでは、研究開発責任者よりこの3年間の研究成果が発表され、各発表後の質疑応答では活発な意見交換が行われました。


2018年10月18-19日、仙台市で開催された「細胞を創る」研究会11.0において、ImPACT野地プログラム全般の紹介を行いました。あわせて、末次准教授(プロジェクト3A研究開発責任者)の長鎖DNA合成技術と田端講師(プロジェクト4A研究開発責任者)のインフルエンザ診断技術のポスター展示を行い、両技術の社会実装に向けた取り組みを紹介しました。

2018年10月16日、リサーチ・カウンセラーとして本プログラムにご協力いただいているYannick Rondelez氏が東京大学を訪問し、生物科学反応がINPUTからOUTPUTに移行する情報変換を顕微鏡で計測する “Molecular Programming”研究とそれらの知見の進化分子工学への応用の可能性などに関して講演されました。この講演会には、ImPACT参画者をはじめ、同分野に関心を持つ学生など約20名が参加しました。

2018年9月28日、東京大学工学部2号館211講義室において、長鎖DNA合成技術等に関するミニシンポジウムを開催しました。本分野の研究に従事する学生をはじめ計37名が参加したこのミニシンポジウムでは、冒頭で野地PMがImPACTプログラムの説明を行った後、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)Assistant ProfessorのSriram Kosuri氏、東京大学先端科学技術研究センターの谷内江望准教授、ImPACT野地プログラムのアドバイザーを務める東京工業大学の相澤康則准教授、ImPACT参画者らによる研究成果と意見交換を行いました。
Kosuri氏は、今年のScience誌に発表したばかりの、エマルジョンを用いた数千の遺伝子合成法について講演し、野地プログラムで実施中の酵素の超並列スクリーニング技術を用いた進化分子工学法や遺伝子の試験管内アセンブリー・増幅法の開発との関連から活発な意見交換を行いました。
また、野地プログラムで作成中の調査報告書「長鎖DNA合成技術の進展と課題(仮)」に関する理解を深めるため、米国における同分野の基礎研究とベンチャー等社会実装の現状について、野地プログラムメンバーとKosuri氏との間で意見交換を行いました。


野地PMのインタビューが放映されました。
2018年5月30日(水)のテレビ東京「ニュースモーニングサテライト」において、プロジェクト4Aの研究開発責任者である東京大学の田端和仁講師(工学系研究科)らが開発したデジタルインフルエンザウイルス検出に関する野地PMへのインタビューが放映されました。撮影は東京大学の野地研究室で行われ、皆川慶嘉主任研究員が試作機を操作するシーンや野地PMによる技術解説が放映されました。また番組の後半では、本技術の社会実装に向けた外部エンジェル投資家3名のコメントが紹介されました。
詳しくはこちら(有料会員のみ視聴可能)。
2018年2月27日(火)、「ImPACTシンポジウム~ハイリスク・ハイインパクト研究のダイナミズム~」において、野地プログラムで開発中のスマホ型デジタル計測装置(試作品)の展示を行いました。当日は、プロジェクト4Aの研究開発責任者である東京大学の田端和仁講師と研究開発担当の皆川慶嘉特任研究員の二人で試作品のデモを行い、ポスターパネルを使ってデジタル計測の原理を簡単に説明しました。

両名の説明を受けている松山政司 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)
掲載されました
2018年1月15日(月)付の日経バイオテク誌(ON LINE版)において、プロジェクト3Aの研究開発責任者である立教大学の末次正幸准教授(理学部生命理学科)が開発した試験管内DNA合成キットに関するインタビューが掲載されました。
本キットは25種類の大腸菌由来の蛋白質によって構成され、独自開発した複製サイクル再構成系(Replication Cycle Reaction:RCR)により、少なくとも200kbpという長鎖の環状DNAの複製を可能とします。
この技術は原理的に、oriC領域を含むこと、二本鎖の環状DNAであることを満たせば大腸菌以外のゲノムでも複製できます。末次准教授は今後、ベンチャー企業を立ち上げ、「複製サイクル再構成系が、どういった分野に応用できるか、キットを提供することで、多くの研究者に考えてもらえれば」と話しています。
詳細はこちら
シンポジウムの詳細は、下記をご覧ください。
本シンポジウムの開催会場となった「細胞を創る」研究会10.0において、ImPACT 野地プログラム全般の紹介と末次准教授(プロジェクト3A研究開発責任者)の長鎖環状DNA増幅キットに関する技術展示を実施するとともに、社会実装に必要な研究者ニーズに関して情報収集を行いました。(資料はこちら)。
また、本シンポジウムでの議論が、科学面特集記事として掲載されました(朝日新聞電子版)。
ImPACT野地プログラムでは、2017年10月19日(木)、京都教育文化センター において、「細胞を創る」研究会10.0の中のセッション2としてシンポジウム 「ゲノム合成時代の到来とバイオセキュリティ・セーフティ」を開催します。
長鎖DNAの合成技術とそれを用いる合成生物学は近年急速に進展しつつあり、野地プログラムの研究プロジェクトの一つ「ふえる」では、ゲノムの合成と自己増幅(人工ゲノムで起動)が可能な人工細胞の創出を目指し、その成果のひとつとして、無細胞系で簡易で信頼性の高いDNA増幅技術の構築に成功しました(NAR2017)。このようなゲノム合成時代の技術進展を合成生物学分野の研究者間で共有するとともに、これらの技術の進展に伴って生じるデュアルルユースやバイオセキュリティ・セーフティの問題を考えるために本シンポジウムを開催します。
2017年11月26日(日曜日)付、読売新聞34面(くらしサイエンス)において、ImPACT野地プログラムが紹介されました。 合成したDNAをもとに人工細胞の作製が世界的に進む中での日本の取り組みとして、試験管内でDNA合成を行う末次准教授(プロジェクト3A)の技術を本プログラムで採用していることや、野地PMのコメントなどが紹介されています。
ImPACT野地プログラム「つくる」プロジェクト2F研究開発責任者五十嵐圭日子准教授(東京大学農学部)による、最新のセルロース科学に関するセミナーが10月24日(火)に東京大学において開催されます。本セミナーは、ImPACT研究課題「バイオマス糖化用スーパー酵素の作出」の一環として行われるものです。
詳細は、こちらの東京大学農学生命科学研究科アグリコクーンバイオマス利用研究フォーラムグループ(act113)ホームページをご覧ください。
2017年5月12日(金)、JST(東京本部別館)において、本プログラムの各研究開発責任者(PI)による研究進捗報告会を行いました。
計61名が参加したこの会議では、各PIがそれぞれの研究開発計画における現状や進展について報告し、その後の質疑応答で活発な意見交換が行われました。
終日の会議終了後に開かれた意見交換会において、各PIや研究開発参画メンバー、企業の参加者との間で更に議論が行われました。

研究進捗報告会
研究開発参画メンバー
2017年1月11日、千葉大学 理学部 化学科の村田研究室を野地PMが訪問し、プロジェクト2「つくる」の研究開発責任者の一人である村田武士教授の研究課題「創薬のためのタンパク質の安定化」に関して、研究室の皆さんと活発に議論を行いました。発表者は、GPCR(Gタンパク質共役型レセプター)を研究対象とする、学生から職員までの10名で、約4時間をかけ徹底的に議論しました。4年生や修士課程の学生が野地PMに堂々と発表し議論している姿に頼もしさを感じました。
野地プログラムでは、この野地PMのサイトビジットの他、PM補佐らが村田研とともに定期的なGPCR勉強会を行っています。村田研によるGPCRタンパク質の構造科学論文に加え、PM補佐が講師となり、関連の病理・薬理学論文、医薬品業界でのGPCRの市場分析、さらに特許、契約の勉強も行っています。

GPCR勉強会
GPCR勉強会
2016年12月16日、立教大学 理学部 生命理学科の末次研究室をサイトビジットしました。プロジェクト3「ふえる」人工細胞デバイスの中の研究課題の一つである「人工ゲノムの試験管内合成法の開発」に関して、その研究成果や今後の課題について、若手研究者を含め、研究室の皆さんと活発にディスカッションを行いました

末次研究室の皆さん
2016年10月11日、TKP市ヶ谷カンファレンスセンターにおいて、「産業化に向けたバイオフィルム研究とクオラムクエンチング酵素工学」をテーマにワークショップを行い、学界や企業関係者など、約50名の方々にご参加いただきました。本ワークショップは2部からなり、前半ではバイオフィルムとその産業応用の理解を深める内容、後半では野地プログラムの技術革新技術、進化分子工学を応用した、超耐熱化バイオフィルム形成抑制酵素が紹介されました。
冒頭、野地PMが野地プログラムと本ワークショップの内容や目標などを紹介した後、野村暢彦氏(筑波大学教授)より、基調講演として実環境での3次元画像取得によるバイオフィルム立体構造の最新知見とその応用を解説いただきました。後半は、野地プログラム研究開発責任者(PI)の一人である徳力氏とM.Elias氏(ミネソタ大学准教授)から、進化分子工学によりTm(耐熱温度)が100℃を越える耐熱化バイオフィルム形成抑制酵素の創製とその応用を、最後に野地プログラムの並列型マイクロ・リアクター・アレイ・スクリーニングアレイ技術を張氏(東京大学野地研究室研究員)が紹介しました。
進化分子工学とバイオフィルム、基礎研究と産業応用という異分野の研究者が集まり、活発な質疑応答が行われ、盛会のうちに終了しました。

野地PMによる冒頭説明
野村暢彦氏(筑波大学教授)のバイオフィルム基調講演
徳力伸彦氏 (PI、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学准教授)の講演
M.Elias氏(ミネソタ大学准教授)の講演
本ワークショップの全体プログラムは、こちらをご覧ください。
ImPACT野地プログラムでは、2016年10月11日(火)、市ヶ谷カンファレンスセンターにおいて、ワークショップ「産業化に向けたバイオフィルム研究とクオラムクエンチング酵素工学」を開催します。
このワークショップでは、微生物の共同体である「バイオフィルム」が関係する多岐にわたる現象や問題、これらの研究と産業利用の現状と課題、バイオフィルムという分野の魅力や重要性について議論されます。
さらに、バイオフィルム制御法のひとつとして、微生物間情報伝達(クオラムセンシング)の抑制酵素の応用の可能性について、また、酵素改良法として進化分子工学が紹介されます。
ワークショップへの参加申し込みはこちらからお願いします(応募〆切:10月4日(火)正午)。
なお、プログラムの詳細は、こちらをご覧ください。