01 知らない分野に取り組み、研究を支援する喜び
大学では農学部で学び、酵母が発現するタンパク質の検出手法などの研究に取り組んでいました。就職先としては製薬や食品関連企業が一般に考えられますが、自分の中では、そこには踏み切れない思いがありました。私は研究すること以上に、他の人の研究について話を聞いたり、話したりすることが好きだったからです。幅広く科学に関わり、かつ個々の分野については一定の深さを持って携われる仕事はないだろうか。そんなことを思っていたとき、就職イベントでJSTを知り、その仕事のおもしろさに惹かれました。
JSTには多数の部署があり、一つの方法論や分野に限定されることなく、多様なフェーズで幅広く研究者の研究活動を支えています。部署異動を通して多様な支援事業に従事できるということもあり、自分の志向と合っていると感じました。研究者を大学院生の時から支援できるなど、新しい科学研究やその成果が生まれる過程に関われることも大きな魅力でした。
JSTに入った2020年4月はコロナ禍の真只中でしたが、テレワークの状況下でもマンツーマンで丁寧に指導してくださるメンターや、先輩の方々、上司に助けられ、孤立した思いをせずに仕事に慣れていくことができました。その中で、JSTの研究支援とは、資金だけではない総合的なものであること、研究と社会の架け橋になれることを強く感じました。例えば研究者が書いたプレスリリースや研究計画書を、その分野になじみのない方でも本質的なところまで理解できる内容かどうかを確認して、的確な改善案を出すといったこともJSTの役割の一つです。
