特許化やスタートアップ創出の支援を通して、大学での研究成果の実用化を後押しします

知的財産マネジメント推進部
大学知財支援グループ 主査

福田大貴

農学府 環境資源物質科学専攻
2019年入職

PERSON JSTの人

01 大学が生み出した成果の特許化をサポート

 就職活動をしていた時、同じ研究室の先輩が国の研究機関に就職していたのを知り、興味を抱いて調べていく中で出会ったのがJSTでした。そして、JSTが資金配分機関として大学などで行われているさまざまな研究や生まれた技術を世に出すための実用化支援等を行い、産学連携を促進することで、世の中を変えていくという役割を担っている点に魅力を感じて、入職を決めました。私が現在担当しているのが権利化支援です。大学ではさまざまな研究や技術開発が行われていますが、せっかく優れた技術を生み出しても、外国特許を取得するための費用や海外展開に向けたノウハウが十分ではない大学も少なくありません。そこで、実用化の可能性が高い研究について、資金面での支援を行うだけではなく、特許の取得やビジネス展開に向けたサポートも行っていくのが権利化支援です。私は大学からの申請対応や、有識者委員会で審査を行うための準備のほか、委員会での議論を踏まえたレポート作成などを日々行っています。また社会環境の変化や利用者のニーズに対応し、制度そのものを常に改善しながら業務を行います。申請される特許の中には将来性を感じさせる研究も非常に多く、強い興味を抱きながら仕事に携わっています。

02 文部科学省への出向で経験の幅が広がる

 知的財産マネジメント推進部に配属される直前には、新卒入職4年目から2年間文部科学省への出向を経験し、それがとても良い経験になりました。先進的な技術で成長を目指す「スタートアップ」と呼ばれる企業の創出・成長を支援する事業を行う部署に配属されました。その中では、大学発スタートアップの創出を支援する事業の制度設計にも主体的に関わることができました。国の方針に沿って、一気に物事が動いていくダイナミックな現場を経験して、業務の幅が大きく広がり、多様な業務に対応できる能力が身についたと思います。政府が推進する大規模な事業に関わることが出来た経験や、大学に対する支援が動き出して、今も無事に事業が運営されている事実に達成感を覚えています。現在携わっている権利化支援への申請の中には、出向時代に担当したスタートアップ創出事業で支援した案件も少なくありません。その点では、文部科学省・JSTでのスタートアップ創出支援が着々と実を結び、特許技術や新規ビジネスとして花開こうとしているのを実感できることが、業務の大きなやりがいです。日頃から大学や企業と接して業務を行っていますが、国の視点や、国内外のスタートアップ界隈の現状など、さまざまな立場を踏まえて業務にあたれるようになり、自分自身の成長を実感しています。

03 自分自身を成長させられる多様な機会がある

 私は入職当初、入職前の希望通りに産学共同開発部に配属され産学連携業務を行い、その後も一貫して同じ産学連携というテーマに沿って、業務に携わっていると言えます。キャリアを通じて変わらない思いは、「研究者たちの努力の結晶が何とか実を結んでほしい」ということです。その最後の一押しをサポートするのが、産学連携に携わる職員の役割だと考えています。社会が大きく動く時、そのコアの部分には、大学や研究機関等が開発した最先端技術が関与していることが少なくありません。大学で種をまかれた研究や技術がどのように成長し、企業等を巻き込みながら産業化に至るのか。その出口戦略まで身をもって経験できるのが、JSTの仕事の醍醐味です。もちろん、JSTでは他にもさまざまな事業が存在するため、希望すれば関心のある事業や業務に携わるチャンスがあります。私の場合には、出向したこと自体が糧になっただけではなく、出向中にさまざまな人と会い、多様な機会を得ることができました。新しい環境に飛び込むことやいろいろな人と繋がることで、自分自身を成長させられる環境がとても気に入っています。

9:30 メールチェック
11:00 申請案件の確認
12:00 昼食
13:00 担当事業の来年度公募について課内で打ち合わせ
14:00 大学からの問い合わせ対応
15:00 大学への通知書類の作成
16:30 次回の委員会に向けた準備
18:00 退社
※所属部署および掲載内容は取材当時のものです
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