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アドバイザリーコミッティ―からのメッセージ

渡辺 美代子

((株)東芝 イノベーション推進本部 経営変革統括責任者)


理工系へ進んだきっかけ

 高校で物理を勉強した時、自然現象を式で表せることに感動しました。重力加速度の実験で、実験データと計算値がぴったり一致することに驚きを覚え、物理の魅力を感じました。それまで、自然現象は偶然の結果と考えていた私の概念をすべて覆すことになりました。自分が魅力を感じる物理の分野に進みたいという思いで、理系に進みました。

研究者としてスタートしたころ

 会社の研究所に就職し研究者としてスタートしましたが、学部卒だったのでほとんど知識もなく必死に勉強しました。金曜日の帰宅時には、論文をたくさんバックに詰め込み、周りの人から「そんなにたくさん持って帰るのはどれを読むかわかっていないからだね。」とからかわれました。論文を読んでわからない場合は、学生時代の研究室に行って様々な質問をして教えてもらいました。その頃は、とにかく研究できることが嬉しく、大変という思いはあまりありませんでした。

転機や飛躍に関するエピソード

 30歳の時に夫がカナダでポスドクをすることになり、どうしても一緒に行きたかったため、会社を休職して海外留学することになりました。その時、博士を取得し、幸いにもポスドクをできることになりました。カナダでの生活は、公私共にとても充実していました。それまで自分の中にあった狭い常識の多くが崩れると共に、自由な発想と意思で行動している人たちと触れ合い、自分の考えや行動も大きく変わりました。帰国後しばらくしてから2人の子供に恵まれ、子育てと研究の両方に没頭しました。子育ては実に楽しく、子供の成長に感動する毎日でした。研究は従来と違うこと、つまり人と違うことを追求しますが、子供の成長は当たり前でありながら、その当たり前を素晴らしいと感じそのことに幸せを感じることができました。両極端の世界を同時に経験し、今も充実した日々を送っています。

後輩への応援メッセージ

 研究者にとっては、自分で考えることが基本です。私は子供の頃から単に覚えることより、自分で考えそれを行動に移すことが好きでした。研究者集団はこのような人を受け入れ、お互いを尊重しながら研究を進めています。長く仕事を続けるには自分に何ができるかを明確にすることが大事ですが、研究で一つひとつ積み重ねて自分だけにできることを作ることは、自分にとっても社会にとってもとても素晴らしいことだと思います。研究者は皆研究が大好きなので、人間関係で苦労することは少ないように思います。考えることが好きな人、何かを追及してみたい人、自分の得意分野を作りたい人、是非理系に進んで研究を一緒にしましょう!

男女共同参画アドバイザリーコミッティーメンバーとしてのひとこと

 世界は女性・男性ということで人を評価する時代ではなくなりつつあります。女性だからということではなく、自分がどんな人間なのか、何ができるのかをしっかり主張できる人となり、自分のやりたいことを明確にしてそれを実践してほしいと思います。また、世界は実質的な国境の存在が弱くなりつつあり、どの国でも活躍できる人を求めています。狭い日本だけで通用しても世界では通用しないことが多々ありますが、これからは世界で通用しないと日本でも通用しなくなって行きます。日本の多くの若い人たちが世界を舞台に活躍し、平和で住みやすい世界を実現する力になってほしいです。