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アドバイザリーコミッティ―からのメッセージ

小舘香椎子

(日本女子大学 名誉教授)

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理工系へ進んだきっかけ

 自然科学への関心は、当時、公立としてはめずらしく理科専科の二人の先生(生物系、物理化学系)がいた小学校で楽しい実験教育を4年生から受けたときに遡ります。同小学校は、東京都の理科教育の指定校でもあり、六年生になったときには、新しい教材の指導対象生徒として、難解ながら興味をそそる問題を解く機会も与えられました。この頃から電気回路やモータなどの工作に興味を持ち始めました。そして、進学した女子大付属中学校、高等学校では、隔週で女性教員による実験が理科カリキュラムに組み込まれており、文化祭でも原子力発電などをテーマにした発表を行いました。そんな環境の中で、理系への進学にはまったく迷いはありませんでした。

研究者としてスタートしたころ

 付属高校で三年間の物理教師を経た後、はからずも在籍することになった国立大学で、助手として量子エレクトロニクスの研究室に所属し、はじめて「光に出会った」のが研究者としてのスタートです。五年間の助手時代には、結婚・出産と研究との両立の厳しさも経験しましたが、研究室は、実に自由で意欲的な雰囲気で、その中でじっくりと実験装置を作りながら、その後学術のリーダーになっていった当時の博士課程の学生達と議論し、ふれあいながら過ごすことができました。現在につながる研究・学問の基礎を築いた貴重な期間だったと感じています。

転機や飛躍に関するエピソード

 助手時代の第二子の出産時には、当時研究と家庭を両立する女性研究者が少なかったこともあり、継続への迷いもありました。そのとき、恩師である神山雅英教授に「子育てに協力してくれる環境を持っているのだから、続けられるでしょう。もうこれ以上無理、という時に考えればよいのでは」と逆に励まされたことをよく覚えています。これを境にして積極的に恵まれた研究環境を活かしていこうと決めました。
 そして、出身大学に教員として戻った当初、家政学部として理学的な研究基盤も弱く、装置もお金も研究時間もなく、とても先端的なテーマを続けるのは困難な環境が待っていました。分割支払いなどで柔軟に対応してくれた業者の方々の理解、時間を生み出すための家族の理解、また、「回折格子」関係の総合研究、『光導波エレクトロニクス』の特定研究などの文部省科学研究費による研究予算などが不可欠で、なにより幅広い分野の第一線の研究者との大事な議論の場にめぐりあえたことで、目標を持って研究を続けることができました。これらすべてがその後の研究内容の充実にも繋がったものと思っています。

後輩への応援メッセージ

 興味を持ち、楽しみながら自己研鑽を継続し、前向きに進んでいってください。そして、決してあきらめないこと。研究の中で「己の場」を創る努力と同時に、連携する大事な機会を得るために、仲間を大事に励まし合いながら共に生きる環境を創る努力をしてください。

男女共同参画主監としてのひとこと

 女性の科学技術への進出は、生活者としての視点を活かす意味や、次世代の子供達に科学技術の重要性や面白さを伝える家庭教育という視点からもとても大切です。
 理工系を専攻した多様なキャリアパスの女性達が、社会で生き生きと活躍する環境作りをこれからも積極的に推進していきたいと思っています。大学で産学官連携による女性研究者の両立支援モデルづくりを行い、将来の進路をわかりやすく示し、中高生の理工系への関心を高めるために寄与出来ればと願っています。