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 19世紀初頭のファラディによるベンゼンの発見で始まった芳香族化合物の化学は、ベンゼンと様々な元素との複合化が可能という性質から、20世紀に入り大発展を遂げ、現代科学・技術を支える基幹分野となった。この歴史に鑑みれば、ベンゼンの集積体と言うべきフラーレンやカーボンナノチューブなどの炭素クラスターに各種元素を複合化するための有効な化学的手法を編み出すことによって、炭素クラスターに内在する性質を完全に引き出し、さらにそれらに新しい性質を付与できるであろうことが予測出来るが、未だ十分に活用できていない。炭素クラスターをもとに作り出されるナノサイズの多元素複合化合物群は、21世紀の科学・技術を変革する可能性を秘めている。
 本研究領域では、炭素クラスターに内在する活性に着目し、様々な元素を有する高活性・高機能な炭素クラスター新物質を作り出し、 それらの性質の多様性を活用して、物質科学、ナノ科学や生命科学の学術や技術の基礎に貢献する発見を目指すと同時に、単分子エレクトニクス、ナノバイオロジーなどの未来技術の萌芽を探求する。具体的には,炭素クラスターと金属元素、生物活性物質の複合 化手法の開拓、本手法により合成した物質群の形成する1次元から3次元の高次複合体の化学・物理的性質の探求、さらには生命体に対する 作用を重層的に探求する。合成した様々な活性炭素クラスターおよびそれらの集合体の構造と機能の分析手法の開発は、現在の科学的分析手段 の限界を越えるナノ構造解析にとっての挑戦的課題となる。
 我が国のお家芸である精密合成化学と,我が国で育った炭素クラスターの科学や高度の分析技術を有機的に結合することによって炭素クラスターを中心とする高活性多元素クラスターに関する研究分野を新しい次元に導くことができる。
 本研究領域では、ナノサイズ炭素クラスターを有機物質・無機物質等と結合し、さらにそれらの組織・構造の制御を行うことによって革新的な物性、機能を有する新物質創製を目指すものであり、戦略目標「環境負荷を最大限に低減する環境保全・エネルギー高度利用の実現のためのナノ材料・システムの創製」に資するものと期待される。
リサーチプロジェクト
機能素子グループ
デバイス創製グループ
ナノ構造解析グループ

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