CREST-SBM 国際会議シリーズ

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研究総括 西浦 廉政

 数学は時代に先んじる世界観を常に生み出してきた.占星術に伴うプトレマイオスの調和的な円の世界観からニュートン的世界観を経て現代のカオス・フラクタル的自然観にいたるまで幾度かコペルニクス的転回をもたらしてきた.
 数学の役割は「道具」あるいは「技術の裏方」としての側面が強調されがちであるが,その本質は世界全体及びその中で生じる様々な事象に対し,どのように理解すればよいのか,その核心を切り出す「見方」、あるいは考える際の枠組み、視点を与える機能である.
 人類は環境・エネルギー問題,経済・リスク問題から食料・水及び感染症問題にいたるまで,その存在を脅かす多くの課題に直面している.これらは単純な原因−結果という因果律で解決できるものではなく,多数の複合的要素がネットワーク的に関連すると同時に時空間の様々なスケールが絡み合っており,全く新たな視点と方法論が必要とされている.
 本数学領域さきがけおよびCRESTの多くの課題がこれらの難問に深く関わっており,それらをテーマ毎に横断的に束ね,国際的視野から多くの最先端研究者と共に理解を深め,問題解決に向けてその一歩を踏み出すために,この数学国際会議シリーズを継続的に開催してゆくこととなりました.さきがけCRESTの研究者が核となり,世界中から多くの関連する諸分野の研究者が参加し,活発な議論が展開されることが期待されます.


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