戦略的創造研究推進事業 二酸化炭素排出に資する革新的技術の創出
戦略的創造研究推進事業 二酸化炭素排出抑制に資する革新的技術の創出
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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針
 今回の募集は、本領域にとって最終回である。本領域の戦略目標とこれまで採択された課題を突き合わせてみた。その結果、本領域で達成が可能と思われる研究分野と目標、いささか不足気味だと思われる研究分野と目標について見解を述べることで、今回、応募を期待する研究分野を明らかにしたい。
 本研究領域の最終ターゲットは、研究領域の概要をお読みいただけば分かるように、中期削減目標(2020年)に資する技術開発を行うというよりも、それ以降に有効に機能するであろう技術の開発を目標としている。すなわち、2030年程度、そして、最終的には、2050年の長期目標に向けた革新的な技術の確実な芽を、考えられるすべての関連技術分野で見いだすことにある。そのためには、新概念、新原理に立脚した挑戦的な課題を求めると同時に、将来、実用化された際に、どの程度の排出抑制への貢献が期待できるか、具体的な数値を含めた定量的なシナリオが含まれていることを期待している。
 これまでこの領域で採択された課題を分類してみると、有機太陽電池、木質バイオマス用化学プロセス、木質バイオマス生産、新型二次電池、熱電変換、電気化学キャパシタ、化合物型インバータ、二酸化炭素吸収能改善技術がそれぞれ1件ずつ、そして、藻類(オイル産生、バイオエタノール、バイオディーゼル)計3件である。上述したように、この研究領域では、関連技術分野のすべてをカバーした有望技術のポートフォリオを作ることを目標としているため、できるだけ多様に分散したテーマを選択したいと考えている。現状のラインアップをジャンル別で分類すれば、太陽エネルギー直接変換が1件、バイオマス関係が上流から下流まで幅広く6件、エネルギー蓄積2件、高効率利用2件、となっている。
 テーマの分散度という観点から見ると、バイオマス関連の研究に関しては、すでにかなり充足度が高いように見える。それに対して、エネルギー・電力貯蔵技術、省エネ・高効率利用の分野での件数がやや不足気味である。さらに、風力、地熱、CCS、海洋利用のようなマクロエンジニアリング的な課題が1つも採択できていない。これらに関連する応募を期待するところである。
 加えて重要な観点が抜けている。それは、環境エネルギー技術は、相当な規模で普及することが必須であるが、その際に、地球の資源的な限界と抵触する可能性の有無、新たな環境への悪影響が発生する可能性の検討、さらに、基盤的な技術が充実していて実現可能性の点で懸念されることがないこと、そして、地球全体でどのぐらい実装が可能でかつ有効性が充分であること等に関する定量的分析などを取り扱う課題が全く抜けている。この抜け落ちたポイントについては、領域アドバイザーの見識によって、なんとかカバーしたいと考えているが、もしも、このような総合的な観点からの技術評価を行う優れた課題が提案されれば、積極的に評価したいと考えている。
 なお、太陽エネルギー関係が不足しているように見えるかもしれないが、本領域に1年遅れで立ち上がった領域「太陽光を利用した独創的クリーンエネルギー生成技術の創出」があるので、この領域では、今年度の自然エネルギーに係る公募は、太陽光エネルギーの直接変換以外の分野に限ることになる。
公募選考スケジュール
公募期間 3/16〜5/18
選考期間 5月〜8月
・面接選考会  7/22(木)
採択発表 8/25(水)  URL:http://www.jst.go.jp/pr/info/info754/index.html
課題数
平成22年度の課題数:4