戦略的創造研究推進事業 二酸化炭素排出に資する革新的技術の創出
戦略的創造研究推進事業 二酸化炭素排出抑制に資する革新的技術の創出
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研究総括の募集・選考・研究領域運営にあたっての方針
 この領域が取り上げるのは、化石燃料由来の二酸化炭素の排出削減を目標とした革新的技術です。そして、この領域の最大の目的は、排出抑制技術の選択肢の可能性を広く検討することで、言い換えれば革新的技術の客観的なポートフォリオを構築することを目的としています。
 排出削減には、新たな排出抑制技術の進展が必要不可欠ですが、エネルギー供給側とエネルギー消費側の両側での協調的な努力が必須です。昨年度は、エネルギー供給側、特にエネルギー発生技術に重点を置きました。それは、開発により多くの期間を要すること、現状の供給側の社会システムの変更にも超えるべきハードルが高いことを考慮したためです。
 しかし、今年度、新たに太陽光から直接電力と水素を得る技術に特化したCREST研究領域が設定されました。そのため、この領域では、今年度の自然エネルギーに係る公募は、太陽光エネルギーの直接変換以外の分野に限ることになります。
 そのため、エネルギー供給側といっても、エネルギー発生以外の分野への拡張を強化したいと考えます。例えば、各種自然エネルギーを組み合わせる技術や制御技術などです。さらに、エネルギー消費側からの提案、すなわち、省エネルギー的な研究にも、間口を広めに構えたいと思います。
 もちろん、エネルギー供給側の提案が重要であることに変わりはありません。太陽光の直接変換が除外されたとしても、風力、海洋、バイオエネルギーの有効利用のような分野まで、まだまだ非常に広い領域を包含します。新規性の高いチャレンジングな応募があることを切望します。
 この分野の基本的スタンスは、持続可能な社会を構築するための環境エネルギー研究を対象とする領域であることです。そのため、各研究の代表者が、自らの研究の立ち位置を俯瞰的に把握し、その社会的な役割を充分に認識していることが重要です。いかに先端的・先鋭的な研究であっても、実社会との接点をしっかりと認識し、かつ記述している提案を求めます。すなわち、単なる先端科学的な色彩のみの研究よりも、社会への貢献度を優先して評価したいと考えます。
 このような考え方を優先する理由は、環境研究は、いかに要素的に優れたものであっても、社会的な受容が行われない限り普及が望めないという現実認識にあります。
 エネルギー消費側の研究についても同様な認識をもっており、技術的に突出した技術の必要性はもちろん極めて高いのですが、それを使用する一般市民が自然に受け入れるような技術であることも同時に求められます。
 このような基本的な認識に基づき、全研究チームには、一つのバーチャルラボの構成員であるという認識をもっていただき、お互いに、社会との接点をより深く認識しつつ、チームとして社会に一つのムーブメントを起こせるような副次的な効果にも期待するところが大です。
 研究の先端性と社会性・俯瞰性という異なった要素を同時に要求することになりますが、この領域のターゲットが2020〜30年には普及を始める可能性が高い技術の芽を創生することが目的であるため、とご理解をいただき、広い領域からの、また広い視野からの、革新的な技術開発を実現する優れた提案を求めます。
 研究シナリオ、マイルストーンの提示など、研究進捗の道筋、時間的進捗予測などが具体的にイメージできる形での申請を希望します。
 最後に予告です。1年後の最終公募では、この領域で採択された研究課題を含め、二酸化炭素排出抑制策全体について、全地球的観点からの評価を行うような研究が提案されることを期待しています。
公募選考スケジュール
公募期間 3/17〜5/19
選考期間 5月〜8月
・面接選考会 7/28(火)及び29(水)
採択発表 9/17(木)  URL:http://www.jst.go.jp/pr/info/info670/index.html