2019年3月
(ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ報告書 メカノファンクショナルマテリアル/CRDS-FY2018-WR-14
エグゼクティブサマリー

 本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が平成29年12月21日に開催した科学技術未来戦略ワークショップ「メカノファンクショナルマテリアル」に関するものである。

 近年、素材産業においては、軽量・高強度、柔軟・高靱性、小型・高出力など一般にトレードオフとされる物性・機能を克服する材料へのニーズが高まり、世界的な市場拡大傾向にある。求められる材料機能を実現するためには、物質における力に起因する機能発現・現象のメカニズムを原子・分子レベルで取り扱い/解明する必要があり、さらにナノスケールにおける原子・分子の力学挙動がマクロな現象にどのように作用しているのか、またマクロな刺激がナノスケールの動力学的挙動にどう影響するかを明らかにすることが重要である。それによって、新しい材料設計指針を得て、既存材料では実現されていない高機能・新機能を持つ革新的材料の開発へとつながることが期待される。
 そこで、物質に作用する機械的な力が起源となって機能を発揮する材料、例えば、接着・接合・剥離、低摩擦、自己修復・破断などに関与する材料や、発光性メカノクロミズムや超弾性などのマクロな機械的刺激によって応答・機能発現する材料系全般を「メカノファンクショナルマテリアル」と定義した。本ワークショップでは、メカノファンクショナルマテリアルの研究開発の現状の把握、今後取り組むべき研究開発課題の抽出、ナノスケール側の研究者とマクロスケール側の研究者を融合・連携させるための仕組みなどについて、第一線の研究者と議論することを目的に開催した。。
 まずJST-CRDSにおける調査・分析結果から得られた全体像、課題、研究開発戦略検討の仮説を提示した後、メカノファンクショナルマテリアルの先行研究事例や産業界の期待、さらには「接着・接合・剥離」「摩擦・摩耗」「自己修復」などへの応用展開に関する話題提供と質疑応答を行い、最後に総合討論を行った。

 ワークショップでの議論を踏まえ、CRDSでは今後国として重点的に推進すべき研究領域、具体的な研究開発課題を検討し、研究開発の推進方法も含めて戦略プロポーザルを策定し、関係府省や関連する産業界・学界等へ提案する予定である。

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