2016年1月
(ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ報告書 「IoTが開く超サイバー社会のデザイン ‐Reality2.0‐」サミット/CRDS-FY2015-WR-03
エグゼクティブサマリー

 情報科学技術の進展は目覚ましく、その高度化と社会への普及はいっそう進んでいる。データ処理技術や通信技術の進展とともに、ネットワークに接続される機器の数が増大し、2020年には500億端末に上ると言われている。こうした変化は、産業構造の変化を引き起こし、あるいは個人の生活や社会のあり方にも影響を与え始めている。
 これまで、現実世界(実体社会)は、あくまで物理世界であり、サイバー世界は物理世界に情報をもたらすコンピューター群であった。このような物理世界を『Reality1.0』と呼ぶ。ところが、近年のサイバー技術の進展に伴い、個人やビジネスや社会活動において、サイバー世界が物理世界と一体となって切り離せないものになりつつある。近い将来、これら2つの世界が一体化した世界ができるであろう。この世界を『Reality2.0』と呼ぶ。この新しい世界では、さまざまな社会機能がコンポーネント化されモジュールとして動的に組み合わされ、サービスプラットフォームから提供される。このことによってさまざまな機能のエコシステムが目的に応じて形成され、革新的なイノベーションが生まれるとともに、既存の価値観、社会規範が変貌していく可能性がある。
 今回、『Reality2.0』について、関連分野の有識者と共にその研究分野を作り出し、日本発のイニシアティブとして確立するために、科学技術未来戦略ワークショップ「IoTが開く超サイバー社会のデザイン‐Reality2.0‐」サミットとして、平成27年9月27日から28日にかけて開催した。
 サミットでは、参加者をグループに分け、ビジョン/インパクト、研究開発、Reality2.0を起こす仕組の検討を行なった。

(1) ビジョン/インパクト
  国民の生活を豊かにすること、そのための社会設計と実現が重要。一方で、機械と人間の関係への憂慮が見られる。
(2) 研究開発
  共通のベースとなるインフラ構築技術と個別のサービスを高度化するための要素技術がキーとなる。さらに、社会システムとしての効果的な運用を行なうための技術が必須。
(3) Reality2.0 を起こす仕組
  産・官・学に加えて一般市民も含めた社会との連携の必要性、そして、コンセプト主導で技術開発とイノベーション創出を実現。

 本サミットの議論を受け、特定のテーマを深掘りするためのワークショップを開催するとともに、関係府省、団体、有識者等との議論を進め、『Reality2.0』を推進するための研究開発提言作成を行なう予定である。

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