2015年3月
(ワークショップ報告書)俯瞰ワークショップ報告書 ライフサイエンス・臨床医学分野/CRDS-FY2014-WR-16
エグゼクティブサマリー

独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)(以下「CRDS」と表記)は、わが国の科学技術イノベーション政策に関する調査、分析、提言を、科学的エビデンスに基づき実施することを主たるミッションとする、公的シンクタンクの1つである。科学的エビデンスの構築にあたっては、国内外の研究開発動向や注目動向などの俯瞰的な調査、社会的期待の分析、及び様々な分野の専門家や政策立案者との対話、ワークショップにおける議論などを実施している。本報告書は、平成 26 年度に CRDS が実施した、それら一連の活動の結果を取りまとめたものである。ライフサイエンス・臨床医学分野は、社会の抱える様々な課題と密接に関係しており、社会からの期待は極めて大きい。例えば、健康・医療の観点からは、健康寿命の延伸、健康・医療産業の活性化、医療費・介護費高騰への適切な対応などが課題として挙げられ、また食料・環境の観点からは資源エネルギー・食料の確保、環境保全、経済発展などがある。それら全てをバランスよく同時に解決し得る方策が、科学技術に強く求められていると考えられる。近年、科学技術基本計画のもと、数多くの研究開発プロジェクトが進行し、多くの成果が創出されているが、社会からの期待に十分に応えているとは言い難い。社会へのインパクトを最大化するためには、科学技術イノベーションの隘路を明確にした上で科学技術施策を立案することが重要である。そのために、CRDS ライフサイエンス・臨床医学ユニットでは、ライフサイエンス・臨床医学分野を全 7 区分(78 領域)に分け、国内外の基礎・応用・産業化に関する研究開発動向、科学技術政策動向などについて網羅的な調査を実施した。調査手法として、文献や各種レポートなどの調査、産学官の有識者へのヒアリング調査、ワークショップにおける議論などを重ねたところ、わが国が推進すべき研究開発戦略の方向性として、次の 7 つが考えられた。1.基礎・基盤的研究と出口に近い研究のバランスの良い推進2.ヒト集団・社会を対象とした研究とメカニズム?応用・実用化研究との循環3.生命情報/臨床情報のビッグデータ収集、統合活用4.要素技術・知見の統合化による新たな価値(医薬品、医療機器など)の創造5.大型機器の集約化や、共同研究施設などの場における研究開発の効率的・効果的な推進6.社会ニーズの観点からの研究開発の適切な評価、推進7.生命科学の発展に伴って生ずるさまざまな問題に対する健全な科学の推進 また、第 4 章に例示した 11 テーマをはじめ、いくつかの重要研究開発戦略が議論の末に見出された。それらを含め、平成 27 年度以降もさらに多面的な検討を重ねた上で、より実効性の高い研究開発戦略を策定し、関連府省へ発信する予定である。

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