2013年10月
(ワークショップ報告書)知のコンピューティング ―人と機械が共創する社会を目指して― Wisdom Computing Summit 2013/CRDS-FY2013-WR-05
エグゼクティブサマリー

独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)は、技術の潮流および社会ニーズを踏まえ、従来の研究領域にとらわれることなく幅広い領域を融合させ、コンピューティングの新たな地平線として「知のコンピューティング(Wisdom Computing:知の創造の促進と科学的発見・社会適用の加速)」(図1参照)を実現することが重要であると考えている。 今回、知のコンピューティングについて、関連分野の有識者と共にその分野を作り出し、日本発のイニシアチブとして確立するためのサミットを、科学技術未来戦略ワークショップ「知のコンピューティング-人と機械が共創する社会を目指して-」Wisdom Computing Summit 2013として、平成25年7月25日から26日にかけて開催した。開催にあたっては、関連分野の有識者を幅広く集めるために参加者を募集し、応募者47名から35名が出席した。サミットは、知のコンピューティングのゴール、方向性、分野などについて幅広く議論を進めるとともに、その過程で研究者の強いコミュニティの形成、醸成を図っていくことも目的とした。
サミットでは、全体セッションとして、認知科学、ロボティクス、心理学、経済学、経営工学、材料科学など、情報学以外の関連分野からの講演を含めた10件の講演により、幅広い視点に立った多面的な問題意識が共有できた。また、ゴール、方向性、分野については、講演者も含めた出席者全員を複数のグループに分割し、分科会形式で集中的な討議を進めた結果、特に、知のコンピューティングという新たな分野が目指すべき方向性として、従来の人工知能やロボティクスをさらに一歩推し進めた、人間と機械の共創を目指したコンピューティングという、以下のような特徴を備えた新たなコンセプトが得られたことは意義深い。今後はこれに従いゴールの明確化や分野の特定を行うことができる。
 人をエンパワーするための機械と知の新しいパラダイム
 議論の可視化や参加者の価値観の推定などから新たな発見を促進する
 人と人がネットワークで連結して知識を価値に変えてゆく
 論理だけでなく情動や感情までも対象にする
 ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)の重要性
サミットを通じて、研究分野・学会・所属組織を超えた研究者が一堂に会して、知のコンピューティングという統一的なテーマで緊密な議論を行うことができ、新しい研究コミュニティの礎が形成できたと考えている。

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