2013年3月
(ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ報告書ライフサイエンス・臨床医学分野におけるデータベースの統合的活用戦略/CRDS-FY2012-WR-16
エグゼクティブサマリー

独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究戦略開発センター(CRDS)は、社会ニーズを探索し、ニーズを充足し、社会ビジョンを実現するための科学技術の有効な発展に貢献することを目的として、科学技術の全分野を対象にして、政府への戦略提言を行っている。平成24年度、提言作成対象となる重要領域として、「ライフサイエンス・臨床医学データベース」を選定し、平成24年4月に調査・提言活動を開始した。データベースの統合的活用とそこで展開されるデータサイエンスは、ライフサイエンス・臨床医学分野でのイノベーション創出の最も重要な基盤の1つである。米国では、ゲノムデータベースと電子カルテシステムを組み合わせた遺伝疫学研究を進め、個別化医療の実現に向けて、データベースの統合的活用研究が進められている。しかしながら、我が国のライフサイエンス・臨床医学領域におけるデータベース活用は、世界と比べると動きが遅く、各領域で別々に作成されたデータベースがほとんど連携せずに動いている。JSTCRDSでは、「データベースの統合的活用」にフォーカスした調査と提言の検討を進め、その一環として、平成24年10月31日に、関連分野の第一線で活躍されている有識者を招聘したワークショップ「ライフサイエンス・臨床医学分野におけるデータベースの統合的活用戦略」を実施したので、その内容を本書にて報告する。ワークショップでは、複数のデータベースの統合的活用から、データサイエンス活性化、イノベーション実現までを対象とした議論を進め、主に以下の課題と対策について共通認識が得られた。
● データベースを統合的に活用することで、国民、医療、行政などと幅広い対象にインパクトを与えることができる
● 個人のプライバシーを保護しつつ、研究開発成果を国民生活に還元するという理念が必要
● 統合すべきデータベースは、臨床系、基礎科学系、ゲノム情報にまたがる
● 医療関連の個人情報利用には、個人情報保護法の個別法が必要
● セキュアな情報ネットワーク(規格化、標準化、共有化を含む)が必要
● 機械学習などの最新情報処理技術の導入が必要
● 医師と情報処理研究者とデータマネージャーの協働が必須
● 我が国のデータベース戦略を国家戦略として立案し、国際競争に備えることが急務

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