2013年2月
(ワークショップ報告書)COIワークショップ報告書/CRDS-FY2012-WR-14
エグゼクティブサマリー

少子高齢化・人口減少、長引く経済的混迷とますます激化するグローバル経済競争、環境・資源・エネルギー問題、社会の安全確保など、さまざまな課題にわが国は直面している。こうした課題に対処し、活力ある社会を創造し維持していくためには、科学技術の成果を効果的に活用することが不可欠である。そしてそのためには、科学技術の個別分野のシーズから発想する「フロントキャスト」だけでなく、社会のニーズや課題の側から発想する「バックキャスト」を通じて、科学技術が取り組むべき課題を適切に設定することが大切である。そこでは、人文・社会科学も含む異分野の研究者や、産業界、市民社会など社会の多様な人々との幅広いコミュニケーションを通じて、ニーズや課題の可視化や分析を行い、政策や研究開発を企画立案・推進していくことが求められる。このようなバックキャスト型の課題設定は、イノベーション政策において、それ自体が常に革新性を求められる新たな挑戦である。今回のCOI ワークショップは、その第一歩として開催された。
COI(Center of Innovation)は、日本再生に向けて、大学と企業が総力を結集し次世代の事業化をリードする大規模産学連携研究開発拠点として、平成25 年度「COI プログラム」のもとで構築が進められる予定である。COI では、科学技術インテリジェンスに基づき、約10 年後を見通した社会ニーズ(市場ニーズ)を戦略的に特定し、そのニーズに対応する、異分野融合型の革新的課題に取り組むこととしており、既存の分野・組織の壁を越え、取り組むべき研究課題を特定する新たな課題設定手法の導入が求められる。今回のCOI ワークショップは、課題設定手法の一つとして、異分野・異業種・異領域からの参加者による「未来に向けた対話(フューチャーセッション)1」を試みるもので、二つの目的を掲げた。
一つは、今後10 - 20 年後に向けて目指すべき社会の姿(ビジョン)と、その実現に向けて取り組むべき課題(イシュー)、チャレンジ&COI アイデアとはどういうものかを多角的に検討することである。たとえば2030 年までに予測される人口減少や気候変動といった問題に対し、10 年後までにどんなことを実現するのか、そのために今、どんな課題に取り組み始めたらいいのか。自由闊達にアイデアを議論することとした。もう一つの目的は、COI の活動を効果的に活性化し、イノベーションが起こりやすい環境を創出するにはどうしたらいいのか、COI の運営に関するアイデアを各方面から募ることである。そのなかには、今後、COI の拠点候補、さらには発足後の各拠点での課題設定手法のひな形(モデル・フューチャーセッション)として、今回のワークショップの方式を提示するということも含まれた。

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