2011年1月
(ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ報告書 「高効率エネルギー利用社会を支える相界面の科学」/CRDS-FY2010-WR-04
エグゼクティブサマリー

地球温暖化、資源枯渇などの地球規模課題に対応するためには、新規エネルギー利用技術の開発とともに、既存技術におけるエネルギー利用の高効率化が必須である。エネルギーを利用する様々な機器やシステムには、固体、液体、気体といった異なる状態にある異なる元素が、互いに接する境界(相界面)が必ず存在し、そこで生じる力学的、化学的、あるいは電磁気学的な現象を利用するものが多い。しかし、相界面で生じる現象には必ずエネルギー損失を伴うことから、機器やシステムの性能は理論限界を達成しておらず、このエネルギー損失をいかに制御するかが、機器やシステムの全体効率を決定する鍵となる。
相界面現象の基礎学理や制御・最適化技術を深化させることによって、相界面でのエネルギー損失を飛躍的に減少させることが可能となり、また、新規機能を発現する相界面プロセスを発見・創造する糸口にもなる。さらに、ナノ、メソ、マクロといった異なるスケールの現象を総合的に解析・設計するためのモデリングとシミュレーション、相界面構造を具体的に制御・最適化するための数理科学的な手法を開拓することにより、先端的な基礎研究の成果を実際の機器やシステムの設計に効果的に適用することが可能となる。これによって、開発目標となっている新技術や既存の基盤技術の飛躍的性能向上と低コスト化が可能となり、それらの広範かつ迅速な社会普及と産業振興を達成する途が拓かれると期待される。本ワークショップは、エネルギー問題の解決に貢献する基礎研究事業の提言に向けて、相界面現象に関わる研究課題の抽出と整理を行うことを目的とし、開催された。2日間にわたって、伝熱、電気化学、吸着、熱電変換、光電変換、二次電池等の専門家を招いて講演頂き、現在の課題を広く俯瞰概観するとともに、分野横断のディスカッションを通じて、真に社会に貢献するための学術のあり方について議論を行った。

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