2010年3月
(ワークショップ報告書)医療の俯瞰報告書~がん(主に乳がん、肺がん、胃がん、膵がん)について~/CRDS-FY2009-WR-10
エグゼクティブサマリー

 わが国は現在急速に高齢社会を迎えつつあり、高齢者の健康をどう守るかが大きな課題となりつつある。独立行政法人科学技術振興機構研究開発戦略センター臨床医学ユニットは、2007(平成19)年以降「医療の俯瞰」を進めてきたが、こうした超高齢社会に対応するため、いくつかの疾患を取り上げ俯瞰的な調査を行い、研究開発戦略の提言を行ってきている。今回は、日本人の死亡原因の第1位であり、その約3割を占めているがんについての調査結果を報告し、今後推進すべき研究開発の方向を提言する。
 がんとは、生命活動の最小単位である細胞の調節機能に異常が生じ、無制限な増殖を繰り返し(自律的な増殖)、周囲の正常組織を壊しながら拡大し(浸潤)、離れた組織へ転移し(転移)、正常組織が必要とする栄養分を奪う(悪液質)などにより生命維持に必要な機能が失われ、生命が脅かされる疾患である。
 がんは多くの部位で発症する疾患であり、死亡率・罹患率が多い部位として、肺、乳腺、胃、肝臓、大腸(結腸と直腸を合わせた部位)、膵臓、前立腺、子宮が挙げられる。臨床医学ユニットにおける事前検討の結果、今回は疾病の傾向が異なる4つのがん(乳がん、肺がん、胃がん、膵がん)を中心に調査を実施し、4つのがんを中心にがん全体の視点も含めた研究開発戦略の例を提案することとした。

PDFダウンロード

関連報告書