2008年9月
(ワークショップ報告書)国際競争力の更なる強化のためのアンブレラ産業/CRDS-FY2008-WR-02
エグゼクティブサマリー

 当センターが検討している重要課題の一つに産業の国際競争力がある。しかし、地球温暖化現象など地球規模課題の解決と両立せずして、経済発展という視点のみから国際競争力を論ずることは最早受け入れられないであろう。持続的経済発展を達成するという課題を解決するには、地球規模課題解決を大前提条件とした上で、産業の国際競争力の強化策を論じなくてはならない。当センターでは、これを目的とした戦略俯瞰ワークショップを開催した。本報告書は、そのワークショップでの検討結果、およびそこに至るまでに、当センターで行った産業に関する経済指標の分析結果をまとめたものである。
 産業の国際競争力強化の戦略を検討するための産業技術俯瞰図として、アンブレラ産業とエレメント産業という 2 軸を打ち立てた。アンブレラ産業とは、多くの要素産業を牽引する集約的・システム的産業、エレメント産業はそれらを支える要素産業と定義した。本俯瞰ワークショップをとおしてアンブレラ産業には、現在日本が世界的にその国際競争力を発揮しているエレメント産業を牽引し、上記地球規模課題解決という条件に適い、しかも今後の更なる国際競争力強化という要請にも適う、産業を練りあげた。
 創りあげたアンブレラ産業とは、エネルギー産業(低炭素エネルギー社会創造)、資源開発産業(新工業資源創造)、環境産業(国際貢献を加味した環境負荷低減)、情報通信産業(人間を中心とした情報通信)、輸送産業(低炭素・省エネ型輸送、新交通システム)である。アンブレラ産業には、ビジネスとしての妥当性・実現性、および科学技術的・社会的課題が抽出できるようにするため、世代発展型の時間軸の導入、および大くくりしたアンブレラ産業についてシステム製品化を施した。 本ワークショップの大きな目的は、アンブレラ産業及びそのシステム製品の可視化であり科学技術的・社会的課題を抽出するための俯瞰原図とも呼ぶべき枠組みの作成であった。しかし科学技術的・社会的課題の可視化、およびそれらのエレメント産業及びエレメント産業が依拠する技術領域との連結は今回のワークショップでは完成されていない。エレメント産業に関しては依拠する技術領域を、アンブレラ産業に関しては、それを実現するために研究開発すべき課題と技術領域との相関を明らかにする必要がある。これに関して、現在センター内で検討を重ねている。
 本報告書はワークショップの報告、およびそのために準備した経済指標の分析結果を纏めたものであり、俯瞰図に関しては「国際競争力の更なる強化のための産業技術俯瞰図」として本年内に報告書の形で紹介する。

PDFダウンロード

関連報告書