2008年3月
(ワークショップ報告書)科学技術未来戦略ワークショップ報告書 ディペンダブルネットワーク/CRDS-FY2007-WR-14
エグゼクティブサマリー

独立行政法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)は、科学技術の研究分野を俯瞰的に展望し、今後重要となる研究領域、課題を系統的に抽出し、社会ニーズの充足と社会ビジョンの実現に向けた研究開発のファンディング戦略を立案・提言している。この活動の一環として、2005年9月に開催された「電子情報通信系俯瞰ワークショップ」において、「ディペンダビリティ」が今後の電子情報通信分野のあるべき方向性を示すキーワードとして取り上げられ、これをテーマにし、「ディペンダブル VLSI」や「情報システムのディペンダビリティ評価」といった一連のワークショップを開催している。本「ディペンダブルネットワーク」に関するワークショップはその一環である。本ワークショップでは、識者グループによる事前の検討の結果、ディペンダブルネットワークのための個別の研究課題の提言よりも、インターネット時代において、日本のネットワーク技術が出遅れている分野に着目し、次世代で先頭にたてるようにはどうするかについて議論すべきだとの結論を得た。そのため、本ワークショップでは、ネットワーク研究の特殊性、推進すべき研究課題、そのための大学での研究体制という三つの論点について議論をすすめた。その結果得られた主要な結論は以下のとおりである。
1.ネットワーク研究の特殊性
著作権の扱い、プライバシー保護などの規制、制約がある 研究成果に説得性をもたせるための大規模な実証実験環境が必要である
性能ではなく機能、仕様が研究対象であり、論文化しにくい 相互接続性、標準化、外部性といった特性により新しい技術の採用はハードルが高い
2.推進すべき研究課題
統合的ネットワークシミュレータ ネットワーク上を流れる情報のトレーサビリティ
プライバシー・セキュリティ確保
大規模実験環境
省エネルギー、グリーンネットワーク
サステーナブルネットワーク
3.研究推進上問題となっており、解決しなければならない大学での研究体制のありかた 大学での実証的研究環境の確保とテーマ選定から研究、開発、成果のフィードバックまでのプロセスの明確化 ネットワークオペレーションに対する学術的な分析と解決策の呈示 単なる論文重視の評価ではない、実践的ネットワーク研究を評価できるような大学での研究評価のありかたCRDS では本ワークショップでの議論をふまえて、今後戦略プロポーザルの検討を行う予定である。

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